光に変換すれば綺麗になるわけではない
ネットワークオーディオにおいて、電気信号を一度光信号に変換して、再び電気信号に戻す工程を辿ることによって、家庭内LAN由来の電気的ノイズからはアイソレートできるのは大きな1つの利点ですが、光メディアコンバータを導入すれば、それですべてのノイズから解放されるというわけではありません。
光メディアコンバータは業務用の機器ですから、電子機器の妨害波がもたらす障害の抑制を目的として定められている日本のVCCI規格やアメリカのFCC規格などでは、光メディアコンバータは家庭用として使うことを想定していないClass Aに属しています。
特にパソコン周辺機器として利用されている光メディアコンバータは、高い周波数の信号を扱う機器であり、そのままオーディオ用に転用すれば、光メディアコンバータ由来のノイズは、直接的にプレーヤーやNASへ流れ込み音に影響を与えます。
家庭内LANの影響は環境によって異なる
ピュアオーディオのようにある程度閉じられたシステムなら、ノイズ対策もある程度セオリーは当てはまりますが、家庭内LANという各家庭によって大きく環境が変わる要素が含まれるネットワークオーディオでは、家庭内LANのノイズの影響は家庭ごとに大きく異なります。
我が家は業務用のルータやスイッチングハブを使っていますし、家庭によってもスイッチングハブを使う場合と、ルータのポート直結という場合もありますし、無線LANの使い方も異なるでしょう。
光メディアコンバータの発するノイズより、アイソレートした家庭内LANのノイズの影響が小さければ、光メディアコンバータを使っても改善が見られないこともあり得ます。光メディアコンバータ(SFPモジュールを含む)の質が悪ければ、むしろ音は悪化する可能性すらありますので、どこにノイズ源があるのかを切り分けた上で対策をする必要があります。※ここでいう「質」は、オーディオ的な意味で高価な光メディアコンバータならいいという意味ではない。
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