DLNAの試行錯誤~ネットワークオーディオの原点~
このAVP-A1HDという機種は、DLNAに対応し始めた最初の世代のAVアンプといっていいでしょう。このAVP-A1HD/POA-A1HDが発売される数年前から、LINNがネットワークオーディオプレーヤーDSシリーズを発表し、ネットワークオーディオのパイオニアとして不動の地位を確立した時期です。
そのネットワークオーディオプレーヤーというのは、2000年頃からmp3やwmaといった不可逆音声フォーマットでネットワーク再生をスタートに、以前ご紹介したIODATA AVeL LinkPlayer AVLP2/Gで実現していた動画再生環境を高音質なロスレスオーディオに特化したもので、すでにネットワーク再生の環境がある程度整っていた私の興味を強くひきました。
そしてAVP-A1HDに搭載されていたDLNAの機能を使って、DSシリーズのようなことができないか、試行錯誤し始めたのが、ネットワークオーディオへの一歩でした。
AVP-A1HDにはDLNAのプレーヤーとしての機能はありましたが、コントローラの機能はリモコンかWEBベースの操作しか手段がなく、リモコンによる操作は本体の小さな表示ディスプレイか、液晶ディスプレイが必要で表示される情報が少なく、動作も緩慢でとても使い物にはならなりませんでした。
またWEBベースのブラウザからの操作も、リアルタイムに情報が反映されず、いちいち再読み込みが必要な使い勝手の悪い物だったので、現在のタブレットで操作するような快適さからは程遠い物でした。
また当時のサーバーアプリケーションはPlaystation3向けのフリーソフトでPS3 Media Serverというアプリケーションを使っており、このPS3 Media ServerはFLACを直接再生できず、PS3 Media Server側で自動的にWAVファイルへ変換してしまうので、せっかくのタグ情報が役に立たない状態でした。この時点での操作性は圧倒的にPlaystation3の方がよかったです。
ネットワークオーディオ環境の本格的な構築
ここでいくつかテコ入れをしていきます。まずはサーバーアプリケーションです。FLACの直接再生に対応したTwonkyMedia(現:Twonkey Server)を搭載したNAS Buffalo Linkstation LS-CH1.5TLの導入です。
音楽の再生に関してはアルバムアートの表示はもちろん、楽曲の情報も表示されましたし、その後TwonkyMediaが定番になっていくのも当然といえる出来でした。
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