SSDの容量が急拡大
1990年代にCD-Rが登場し、2000年代に入ると圧縮オーディオフォーマットと、HDDの容量拡大に伴って、デジタルミュージックプレーヤーなどが登場し始め、パソコンをオーディオプレーヤーとして使うPCオーディオが本格的に始まりました。
そして2007年にLINNが発表したDSシリーズによって、マニア向けのオーディオの世界にもネットワークへの接続、パソコン周辺機器の侵食が始まりました。
今ではネットワークオーディオは、1つのジャンルとして認知され、専用のプレーヤーが各オーディオメーカーのラインナップの1つとして当然のように存在し、BUFFALOやIODATAといったPC周辺機器メーカーが、オーディオ向けNASやスイッチングハブなどの分野に参入してきています。
オーディオメーカーにはこうしたネットワーク機器を作ることができるノウハウがないので、PC周辺機器メーカーの独壇場になってしまっています。国内オーディオメーカーで作れるとしたら、企業向けネットワーク機器を製造しているYAMAHAくらいでしょうか。
利便性と万能感
ネットワークオーディオの形として、DAC機能を備えたプレーヤー、データトランスポートとなるNAS、コントローラーとなるタブレットパソコン、それらを中継するルータやスイッチングハブと、接続するLANケーブルや無線LANというのが一般的です。
ネットワークオーディオのメリットは、NASへデータを格納した音源をデータとして取り扱うことによるデータの完全性と、タブレットパソコンでコントロールすることによる操作性の高さ、そしてプレーヤーが回転振動を排除することによって得られる静穏性などいろいろありますが、従来の一体型CDプレーヤーにはないライブラリ化による利便性の高さ、全体を一望できる万能感のようなものがあるのではないかと思います。
全ての音源をタブレットパソコン1つで閲覧でき、好きな曲を好きな順番で再生できる環境は、従来のオーディオ機器にはない全てが手のひらに収まる先進的なイメージが、ある種の優越感につながるのではないかと思います。
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