全体的には優等生のバランスの良い音なのですが、膨張させずにインパクトのある低音にコントロールされ、高音は各所にちりばめられたロジウムや銀の音を生かして、ややきつめに切れのある音にセッティングされています。好むアクセサリが似ていることもあって、仕上げられた音はバランスを取りつつ低音の膨張を抑え、高音を伸ばす点は比較的良く似ていました。
大きく違うのは高音の処理でしたね。私は柔らかく伸びて広がる高音が好きなので、正直言えば私にはこの高音で長時間聴くのはつらいですが、先のスピーカー後方に展開する音場も含めて、オーナーであるNyansさんの好みを反映したイメージをよく具現化された音だったと思います。
レトロな日本家屋であるため、構造としてはオーディオに向いているようには見えず、床は畳の上にフローリングカーペットであるため軟らかく、襖や欄間、壁も共振しそうな構造材ばかりですが、それを解消するために各所を強化する防音処理が施され、部屋中に拡散材のKRYNA Aztecaが散りばめられていました。
前述した電源へのこだわりも含め、オーナーであるNyansさんの好みの音へ追い込んでいく苦労の様子が散りばめられています。
AV環境に有効なLINN DSM
ピュアオーディオ環境は物量を投入されたポテンシャルの高さを思い知らされましたが、もう1つ興味をひかれたのがAVシステムのある機器でした。AVシステムはピュアオーディオ環境をフロントに使い、AVプリアンプDENON AVP-A1HDと6chパワーアンプACCUPHASE PX-650を核にして構成された7.1chシステムです。
私もAVP-A1HDを使ってホームシアターを構築していたので、その音の傾向などは把握していますが、聞いてみると音の揺れ(ジッター)が感じられない安定した音でした。
その理由は私がお聞きするまでもなく説明してもらえましたが、フロントのプリアンプとして使っているLINN KLIMAX DSM/2にアップグレードされたときに旧基板を使って作られるLINN RENEW DSMがその理由でした。
LINN DSMシリーズには、HDMI端子が搭載されていて、LINN独自の「2-stage clock recovery Process」という、DSMが受け取ったHDMI信号を映像と音声に分離し、音声再生には最適なクロックをDSMがリクロックするジッター低減機能があります。
HDMI端子はAVアンプなどに採用されたころから、音が悪いといわれてきましたが、その主な要因は映像信号とクロックと伝送経路を共有されていることが原因だといわれ、HDMI端子を2つに分けて音声専用端子を設けるなどの対策が取られてきましたが、DSMを通すだけで従来のHDMI信号のジッターを大幅に低減することができるようです。
この効果を体験したのはこれが初めてでしたが、ピュアオーディオとAV環境を共存させることを考えたとき、こんなに都合の良いプリアンプはないなと思いましたし、Nyansさんからは「1週間くらいだったら貸しますよ」とありがたい言葉を何度もいただきましたが、一度聴いたら戻れなくなるのがこの趣味ですから固辞しました。家に帰って一人になってからは自分のシステムに組み込んだらどうなるだろう?と妄想を繰り返す日々です。
御礼、そして拙宅へ…
滞在時間は2時間くらいだったでしょうか。奥様にはお出かけしていただいたようで、お気遣いいただきありがとうございました。
LINNとB&Wのシステムを使いつつ、聞きたかったM12 GOLD SWITCHを使って、ハイエンドネットワークオーディオを堪能させていただきましたし、映像面でも4K対応ユニバーサルプレーヤーOPPO UDP-205と4Kプロジェクタ SONY VW1100ESを使ったトップクラスの4K映像をみせていただきました。
さらにはお土産もいただいてしまいました。ありがとうございました。
この後、我が家に移動してオフ会ダブルヘッダー後半戦となり、SONY BRAVIA KJ-75Z9Dで4K/HDR映像を見ていただいたり、ネットワークオーディオの視聴などをしていただきましたが、そちらは某コミュニティで日記を公開していただきましたので割愛します。
Her-
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