耳がいいってどういうこと?
耳がいいというと、一般的には絶対音感とか、年齢とともに衰える可聴周波数域が広いことなどをイメージする人も多く、高齢者を耳が悪いと決めつけるような発言を目(耳)にすることもあります。確かにその側面はあるかもしれません。
絶対音感は幼少期の訓練が必要で、可聴周波数域は年齢とともに衰えるものですが、可聴周波数域や相対的音感のようなものは鍛えていくことは可能なようで、私も年齢の割には広い範囲の可聴周波数域を持っています。
私自身は絶対音感を持っているわけでもありませんし、数値として現れる耳が特別良いとは思っていませんが、本来耳は周囲の状況を把握するための器官ですから、耳の良さというのは単純に可聴周波数域が広いとか、絶対音感を持っていて周波数がわかるとか、数字に表れることだけではなく、「空間把握」にあると私は思っています。
特にオーディオ機器の試聴やレビューに関しては、そんなことではスペックに表れない機器の持つ長所や特長を言葉で伝えることはできません。
音による立体視野
視覚が不自由な方は、クリック音という舌打ちのような音を発し、それが周辺から返ってきた音を脳でイメージとして作り出すことで、周辺の構造を理解して障害物を避けながら歩くことができるようトレーニングしていらっしゃいます。
この云わばソナー(音波探知機)のような機能は、視覚に問題がない人にも備わっていて、スマートフォンを見ながら歩いている人も無意識に使っているでしょうし、オーディオを趣味にしている方にはそうした能力に優れた方も多いでしょう。
私自身も音の位置で、後ろから来る車の位置や距離をある程度把握して避けたり、人の気配を感じて脇に避けて道を明けたり、普段の生活にも使っていますし、意識して耳で空間を把握するように心がけていて、イヤフォンをして歩かないようにしています。
音は、その位置や周波数、強弱や反射などの情報によって立体的に音場を作り出し、その音像を脳は立体的な視覚情報として認識することができます。クラシック音楽がお好きな方は、目を瞑って聞けばオーケストラの編成や配置など、頭の中にコンサート会場が浮かぶという方もいらっしゃると思います。
しかし録音は必ずしも各楽器を一斉に鳴らして録音する一発取りとは限らず、楽器や声を別々に録音する場合もあるでしょうし、それを1つの楽曲とするにはマスタリングエンジニアの力が欠かせません。
私が読みたかったのはそんなマスタリングエンジニアの視点で書かれた本です。
前々から読んでみたいと思っていた本
本ブログを開設する何年も前の話で、どこで見かけたかもわかりませんが、ある本を見かけて興味を持ちました。しかしすでにその本は絶版で新品で購入することができず、また売っている中古も新品並みか、それ以上の価格でしか見つからなくてあきらめてしまいました。
まずは目次を見てみましょう。
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