音源
比較に使った音源は以下の曲です。
「Grace Mahya – Last Live at DUG」から1曲目「Route 66」
アイソレーション・トランスを入れる前のRoonの音は、音の広がりはそれなりにありますが、どこかもやがかかっているようで、音の鮮度にかけていましたが、DELAは同じくアイソレーショントランスを使わずとも、それなりに力強く勢いのある鮮度の高い音がしていました。
アイソレーション・トランスを入れた後はRoonの音にも勢いが出てきて、入れる前のDELA並みに鮮度の高い音がでてきましたが、一方DELAはさらに上を行き音の芯に力強さがあり、残響音のようなっ弱音成分の広がりも豊かになります。
少なくともNyans邸においては、S/N比、力強さ、勢い、鮮度どれをとっても明らかにDELAに軍配が上がります。Roonは他の追随を許さないユーザーエクスペリエンスを提供することと引き換えに、トランスポートの負荷が高まるデメリットがあり、その負荷の高さが音源データの送信時に音の鮮度に現れてしまっているように感じられます。
デジタルトランスポートの違いでこうも音が変わるのはデジタル的には不可解ですが、トランスポートの違いは音によく出てしまいますね。こうした情報の豊富さを実現し、ユーザーエクスペリエンスを高めることと、音源の送信に特化することで、再生時の音への影響を軽減することはなかなか両立が難しく、どちらを選ぶのかというのは、ユーザーの好みによるところでしょう。
利便性と音のトレードオフなのか
音源の音だけではなく演奏者やその楽曲が作られた時代背景など、物語としての情報を欲しい場合は、少なくとも音質を犠牲にしてもRoonを導入するメリットはありますし、情報は最低限タグレベルでよく、音楽を聴くことだけに集中するという方は、音質を優先してオーディオ向けのNASを使う方がいいかもしれません。
ただこれは一般的なRoonの使い方をした場合の話であり、サーバーやコントローラーなどの設定を詰めることができれば、Roonの音質を高めていくことが可能です。前述のようにRoonはパソコン上で運用されているアプリケーションですし、音質はRoon側の負荷を下げることで音質を向上させる余地はあります。それがMFPCのようなプロセスカットパソコンによる音源の再生です。
音楽の再生において、より良い音を求めていくと、高価なスピーカー、アンプ、プレーヤーを次々と買い替えていく、ある種の散財のスパイラルにはまりますが、こうした音楽再生時の下流にあたる部分は、ハイエンド機になると高価な価格ほど、そのパフォーマンスの利幅は小さくなり、その価格に見合った音質向上を得られなくなっていきます。
しかし上流部分の改善によって、下流を交換するより多くの情報を引き出せるというにプロセスカットパソコンは気づかせてくれます。次回はそのお話。
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