いずれやってくる容量の問題
私は現在オーディオ向けのNASとして、DELAのモニター評価機として購入したHA-N1AH40/2相当(本体仕様は旧モデルN1A)を使っていて、HDDは現在のオーディオ向けNASとしては最大容量の4TB(2TB×2)を搭載しています。
私が所有している音源はさほど多くありませんので、4TBを使い切るには程遠く余裕もあるので、4TBを2TB×2としてバックアップを取れるミラーリングモードとして、データの保全性を優先した仕様で使っています。
アルバムCD1枚あたりの容量を、600MBとして考えると、100枚で60000MB=60GB、1万枚で6000GB=6TBとなります。可逆オーディオフォーマットであるFLACなどに圧縮すれば容量は50~80%程度に抑えられますが、枚数が増えるほど容量が必要になります。
しかし、より高音質な音源となるハイレゾ音源へと食指を伸ばせば、さらに容量は何倍にも拡大します。例えば私が好きなNorah Jones – Come Away With Meというアルバムで容量を見てみると以下のようになります。
- WAV(CD音源):477MB
- FLAC(CD音源):255MB ※圧縮率最大
- FLAC(192kHz/24bit):1908MB ※e-onkyo
多くのハイレゾ音源はFLACのような圧縮された上体で提供されますので、WAV(CD音源)を基準にして4倍前後、圧縮したFLAC(CD音源)を前提にしても5~8倍程度にはなるでしょう。
現在のオーディオ向けのNASは容量の大きなものでも4TBでは容量が不足することになり、これからは10TB以上の容量が必要な時代が近づいてくることが予想されます。
現在オーディオ向けのNASなどに使用されているHDDは3.5インチのもので、最大で3TBのものが使用されています。パソコンのコンシューマー向けにはすでに10TBを超える容量のHDDが販売されています。
2台で10TB以上の容量を実現することは可能なので、メーカーが必要と判断すれば、音質に配慮しつつ容量の拡大は可能かと思いますので、3.5インチHDDに関しては心配していませんが、最近少し気になっているのがSSDです。
オーディオ向けにSSDが有利?
オーディオにとってノイズは敵であり、CDやHDDなどの回転体の宿命ともいえる振動は、機器に大きな影響を与え、微小信号に影響を与えることで音質にとってデメリットになるといわれています。
ネットワークオーディオでは、その回転体を持つHDDをデータトランスポートとして独立させることによって、プレーヤー側ではその影響を受けずに再生できるのがメリットですが、データトランスポートであるNASも、極力振動がない方が有利であることは変わりありません。
音質的にHDDが良いのか、SSDが良いのか、特性の違いを聴感上どちらが良いと感じるかは、人それぞれですし、SSD自体はノイズが少ないとは限りませんので、回転体がないSSDが絶対に良いとは言い切れない部分はありますが、振動面で有利なことは間違いないでしょう。
DELAにしても、fidataにしても、トップエンドモデルはSSD搭載型になっています。トップエンドがSSDになっているのは、音質的なメリットがあるという面もありますが、NASに使用される3.5インチHDDと2.5インチSSDの価格を考えると4倍近い価格差にあります。
やはりSSD自体の容量単価が高いからというのが実情でしょう。
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