次はVLANを使う方法です。
(2)VLANを使う
これを実現するには、少なくともVLANに対応したスイッチングハブが必要です。VLANとは、物理的に1つのスイッチの中で論理的(仮想的)に複数のスイッチングハブとして使う機能です。
イメージとしてはシェアハウスのような感じでしょうか、1つの家をそれぞれの家族の部屋(VLAN)に分けて利用し、共用部分(筐体や電源)は共有して利用するイメージです。
例えば、会社ではこの機能を使うことによって、各フロアに1台ずつ設置されたスイッチングハブを複数の部門で共有しつつ、部門ごとにネットワークを分けたりすることが可能ですし、レイアウト変更や接続する端末の増減にもポートの変更のみで対応できるので、融通が利きます。またフロアをまたがってしまう部門でも同じネットワークとして接続させることが可能になります。
この機能を使った場合のメリットデメリットですが、以下のようなものがあるでしょうか。
メリット
- 他のセグメントで発生するパケットは届かない。
- 別々のネットワークを作るよりも機器を共有し、配線などを減らすことができる
デメリット
- 2つのセグメント間の通信には、ルータ機能を搭載した機器が必要
- 機器から発生するノイズに関しては削減できない
- 対応した機器を持っていない場合は購入費用が掛かる
本稿の目的である余計なパケットが流れてこないようするというのは実現できますが、機器を共有することによるメリットがある一方で、機器から発生するノイズ、接続している機器から流れてくるノイズに関しては削減することができないので、高機能な機器を使う分、音質的にはデメリットが発生する可能性もあります。
そして、ルータ機能を搭載した機器を使わなければ、インターネットや2つのセグメント間の通信ができなくなり不便になります。VLAN対応のスイッチングハブに加えて、ルータかL3スイッチが必要となると、追加出費は避けられそうにありません。そして今回のように部屋ごと分離するのであれば、特にVLANを使う必要はないと思います。
ちなみに私は試したことがないので、実際に動作については推測になりますが、スイッチングハブにVLANを使わずに、2つのネットワークを混在させることも理論上は可能だと思います。これは各ポートにブロードキャストパケットなどは飛んできてしまうので、不要パケットの削減にはつながりませんし、当然2つのネットワーク間での通信はできません。メリットはないと思います。
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