交換について
今回もYTP-6Rのとき同様に主要機器が収容されている電源タップとして試聴してみます。交換前はChikuma Complete-4 IIという少し前のChikumaのフラグシップモデルで20万円相当の電源タップです。
価格的にはRTP-6 absoluteの方が上ですが、同じ口数が4つのRTP-4 absoluteとの比較ではほぼ同じ価格帯となります。いずれも分厚いアルミ合金製ボディという共通項を持っています。
ケーブルは全てそのままAcoustic Revive POWER REFERENCE-TripleCを流用します。交換するのは電源タップだけです。
アルミの素材について
Complete-4 IIとRTP-6 absoluteのアルミ合金は一見同じように見えますが、多少違いがあります。
Complete-4 IIに使われているA7075(硬度:170Hv)とRTP-6 absoluteに使われているA2017S(硬度:130Hv)と硬さを比べると、航空材としてA7075の方が優れていますが、振動の減衰特性などを考えると硬い方が有利とは言いがたい。
アルミ合金に添加される物質(成分)はメーカーによって多少異なりますが、大体以下のような成分が添加されています。
製品名 | アルミ合金 | 成分 | 表面処理/メッキ |
Chikuma Complete-4 II |
A7075 | 亜鉛(5.1 – 6.1%)、マグネシウム(2.1 – 2.9%)、銅(1.2 – 2.0%)、クロム(0.18 – 0.28%) | 表面処理、メッキ無 |
Acoustic Revive RTP absolute |
A2017 | 銅(3.5 – 4.5%)、マグネシウム(0.40 – 0.8%)、マンガン(0.40 – 1.0%) | アルマイト処理 /クロムメッキ |
アルミの型番について、例えば「A2017S」という表記の最初のAは、アルミニウム合金のことを示していて、その後に続く4桁の数字は合金の分類を示しています。さらに4桁の数字の後に続く1~3個のローマ字は、材料の形状および製造条件をあらわしていて、「S」は 押出形材のことです。
RTP absoluteシリーズはA2017の押出形材を削りだして筐体を作っているようで、Complete-4 IIはA7075を加工して、パーツを作り、それを組み合わせて製作されていて、構造上隙間が出来やすいという意味で、飛び込みノイズの観点からすれば、RTP absoluteの方が有利です。
表面処理については、有無の有利不利は考え方にもよります。アルミニウムは添加物、つまり不純物が加わると、物理的特性が向上しますが、耐食性が著しく低下します。それを防ぐために、アルミ合金の表面に酸化皮膜、ある意味錆びた状態にして覆うことで耐腐食性を高めています。Chikumaはこの皮膜やメッキを音を濁す要因として掲げていて、Acoutic Reviveは有利に働くと考えているようです。
私がComplete-4 IIを愛用してきたのは、アルミの持つ涼しげな響きが好きだったからです。
試聴システムの概要
試聴システムは以下の通りです。
- テレビ:SONY BRAVIA KJ-75Z9D
- AVプリアンプ:Marantz AV8802A
- マルチチャンネルパワーアンプ:DENON POA-A1HD
- フロントスピーカー:DALI Helicon 800(Pair)
- リアスピーカー:DALI Helicon 800(Pair)
- サブウーファー:DALI Helicon S600
- トップミドルスピーカー:SpeakerCraft Profile AIM5 Three(Pair)
- ネットワークオーディオプレーヤー:Marantz NA-11S1
- 4K UrtraHD Blu-rayプレーヤー:Panasonic DMP-UB900
- ゲーム機:SONY Playstation4 Pro
今回の交換対象となるRTP-6 absoluteから給電するのは、Marantz AV8802A、Marantz NA-11S1、Panasonic DMP-UB900となります。
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