レビュー(1)~挨拶代わりの1本
冒頭のトゥームレイダー ファーストミッションでは、水量の多い川にいる主人公が滝へ向かって流され、滝の入り口手前にあった朽ちた飛行機につかまって、滝壺へ落ちるのを避けるシーンです。
一聴して感じたのは、水の流れる轟音の中でも川の広さを描き出される空間の広さですね。朽ちて錆びた飛行機につかまり助かったかと思いきや、主人公の加重できしみ始めて壊れていく、金属のきしむ音、割れる音、主人公が命の危険を感じている緊迫感などが、S/N比の高い空間表現の中でテンションを感じさせてくれます。
穴の開いたパラシュートが裂けていく音、森の中に突っ込み木々や葉の中を切り裂きながら落ちてく際のさざめきや木の折れる音、主人公のうめき声などは繊細で聞き取りやすい印象を持ちました。
レビュー(2)新旧機種比較
ここからはCX-A5200/MX-A5200とCX-A5100/MX-A5000の比較を中心にデモが進みます。新旧モデルでだいぶ質感が異なりました。
柳よ泣いておくれは女性ボーカルにベースだけというシンプルな楽曲で、CX-A5200/MX-A5200で聴くと、CX-A5100/MX-A5000に比べて、声質に柔らかさがあり繊細で、音の抑揚や揺らぎを感じることが出来ますし、弦の音は明瞭に締まって聞こえます。
sensuouseは金属音中心の音の広がりを感じることの出来る楽曲ですが、CX-A5100/MX-A5000では金属音が硬質で冷たい印象がありますが、CX-A5200/MX-A5200で聴くと、冷たい金属音にも柔らかさがあり、消えていく音に風鈴を聞いているような心地よさを感じます。
レビュー(3)ストレートと「SURROUND:AI」の比較
ブレードランナー:Chapter.28は雨の中で車を止めて降り、レプリカントの待つビルの中へと入って行き、頭上を宣伝用の飛行船が通るシーンです。
「SURROUND:AI」を使うと、場の音場感に変化が起き、静かなシーンでは、足音や水の落ちる音などの繊細な音の広がりや、窓の外の雨音の空間表現などが、空間を広く感じさせてくれますし、豪雨の中で車が通りすぎる音や、宣伝が流れる大きな音のシーンはダイナミックかつ、音の分離感を感じさせるなど、シーンによってリニアに演出が変わっているように感じます。
グレイテスト・ショーマンは主人公が幕の前で次に登場する歌姫について紹介を行い、幕が開いて歌姫が登場して謳うシーンでしたが、観客のささやきや拍手の音の解像度や音の広がりの良さがあり、会場の広さをより感じさせてくれます。
歌を歌うシーンは吹き替えが行われていますが、実際に歌っている歌手ののどの広がりや、声の響きが音から感じられるので、画面に映っている女優の姿と違和感を感じるくらい、歌手の歌声の質感をよくあらわしていたと思います。
「SURROUND:AI」は、0.2秒、9フレーム先まで読み込んで、0.2秒で解析し、最適な音場にリニアに変更するようで、そのステータスが変わっていく様子を画面内に表示していましたが、非常に興味深い機能でした。
歌を歌うシーンで、妙に明るくなったり暗くなったりプロジェクタが誤動作していたのが残念でした。
まだ試作機ということのようなので、これからそういった不具合もつぶして、完成に近づいていくのでしょうね。
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