ホンダが受け入れたのは将来への布石?
上記の連鎖が起こったとしてホンダがそれを望むのか、受け入れるのかというのが1つの焦点でしたが、育成チームのトロロッソに独占供給するのは、出遅れたホンダにとってはいい方向に働くかもしれません。
マクラーレンというチームは、今回のホンダとの提携でエクスキューズ(言い訳)と責任転嫁をする情けないチームに成り下がってしまったなというのが私の印象です。
根本的には優れたエンジンを供給できないホンダに責任があるわけですが、マクラーレンは最高のシャシーを作れていないにもかかわらず、チームとしてホンダと仕事をせず、客としてクレームを言い続けることを選んでしまった。
株主達にいい顔してパートナーを攻撃するなんてチームとしては二流三流。取引先に言い訳するために旦那や嫁を悪者にしてるのと同じで関係が続くわけがありません。怒声と罵声が飛び交うようでは1つのチームとしては機能しないし、遅かれ早かれチームとして破綻していたでしょう。お互いの足りない所を補い合う関係でなければ、家族であるワークスチームには勝てないのです。
そしてホンダは、マクラーレンのように責任転嫁をするチームからのプレッシャーを受ける中で、本来の開発ポリシーやプロセスをかなり変更していると思われます。ホンダの哲学とF1文化の中でのかみ合わせがうまく行っていなかったように思いますが、おそらく2018年にかけて、その2つの文化の融合と昇華が始まると私は睨んでいます。(希望的観測)
もう決裂した関係ですから、2017年シーズンは自分たちの思ったとおりに長期的な視点を持って進めたらいいと思います。ルノーを追い越し、フェラーリに迫るエンジンを2018年に作って欲しい、いずれメルセデスに匹敵するエンジンを作って、ホンダサウンドで世界を席巻して欲しいですね。
トロロッソを踏み台にしてレッドブルへ
トロロッソという、いわばセカンドチームに独占供給することは、二流メーカーとして扱われているも同然で、よくこの契約を受け入れたなと私は思いましたが、もし今回の契約とは別に、将来ルノーエンジンのパフォーマンスを超えたらレッドブルへ搭載するという口約束のようなものがあったらどうでしょうか?
レッドブルはこのトロロッソ・ホンダの実現によって、ルノーエンジンのパフォーマンスと、ホンダエンジンのパフォーマンスを正確にウォッチできる立場になります。そして育成チームであるトロロッソとのエンジン契約のクロス譲渡も事前に条項をいれておけば可能でしょう。タグホイヤーブランドのようにトロロッソにレッドブルブランドで供給する手もありそう。
レッドブルとしても、ワークスチームであるメルセデス、フェラーリと戦うためには、ワークスエンジン並みの待遇が受けられる優れたエンジンは喉から手が出るほど欲しいでしょうし、ホンダのパフォーマンスがルノー以上になればそんなシナリオもあるかもしれません。
トロロッソをドライバーだけでなくエンジンメーカーの育成の場とすることができ、熟成するまで監視できる立場にいて、トロロッソの運営費を削減し、将来の選択肢を多く保有できるこの契約締結で、一番得をしているのはレッドブルだと私は睨んでいます。
レッドブル・ホンダがいつかフェルスタッペンとともにチャンピオンを獲得するなんてことがなったら、とても夢があると思いますけどね。こちらの方が長期政権になる可能性がありますし、企業のイメージアップにも若いフェルスタッペンの方がいいアピールになるでしょう。その隣に日本人ドライバーが実力でシートを獲得してくれていたらなお嬉しい。
フェルナンドアロンソの3度目の戴冠は遠のく
ホンダが切り捨てられることには日本人としてはとても残念ですが、開幕からの信頼性とパフォーマンスの不足は、そうさせるに十分な理由になったのは致し方ないと思います。
ただ、今回マクラーレン・ルノーが誕生したところでフェルナンド・アロンソが3度目の戴冠に至ることはないと思います。フェルナンド・アロンソがいかに優れたドライバーといえども、今のフェラーリやメルセデスと戦えるところまでは到達できるとは思えません。
アレだけの技量なら勝てるマシンに乗せてあげたかったけど、彼の忍耐は3年までというのがこれまでの印象です。ルノーは3年以内に勝てるエンジンは作れないでしょうし、今の年齢であと3年待てるかどうかも分かりません。
フェラーリ時代に続き、また今回も忍耐が足りず、またきっとレッドブル・ホンダが優勝争いをしているのを見て、遠い目をしているアロンソが数年後にいる気がします。
※本記事のF1に関する画像は全て”http://f1-gate.com/”より引用しています。
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