裏を返せば
一方、短所ばかりのように見えますが、プロジェクタにも絶対的に優位な部分はあります。投影距離さえ確保できれば、200型くらいまでのサイズに対応できますし、これは費用を度外視しない限りテレビでは現実的に対応できないでしょう。
サウンドスクリーンを使えば音への影響はあるもののテレビのようにスピーカー間の距離が問題になることもありません。またマンションの高層階など、設置場所のフロアが1Fではない場合は、テレビの搬入は難易度が上がりますし、プロジェクタが圧倒的に有利です。
前後にスクリーンとプロジェクタが必要というデメリットを考えても、部屋のサイズが大きい場合、高層階の場合、重量制限がある場合など、ケーブルの問題を除けば画面が大きくなればなるほど設置の自由度はプロジェクタの方が有利です。
画質面でのアドバンテージは、有機ELテレビや液晶テレビの方がありますが、解像度が高くなり、輝度が高くなってくると問題になってくるのは、刺激性でしょう。私も比較的眼は弱い方なので、強い光刺激は苦手です。2時間の映画を見るときは没入感を高めるために電気を消しますが、ゲームなど長時間使うときは部屋の電気はつけたままテレビを使います。
プロジェクタは暗くしないと使えないので、それなりに目への負担は大きいですが、直視型のテレビに比べれば、間接光の刺激なので幾分柔らかく感じる場合もあります。それがテレビのようなしゃきっとした映像ではなく、柔らかみのあるしっとりとした映像になって好ましいという場合もあるでしょう。
ニーズの浸食
少し前までは65型くらいまでしか現実的に手が出なかったテレビが、徐々に低価格化と大画面化を図り、それにつれてプロジェクタのニーズを脅かし侵食していっているように思えます。
現状は80型を超えるとテレビでの対応は難しくなりますが、有機ELテレビはいずれ曲げることができるディスプレイへと進化していくでしょう。まるでスクリーンのような有機ELテレビも出てくるかもしれません。
すでに試作品は展示されていますし、これが実現して大画面化していけば100型~120型くらいまでは、テレビがカバーする可能性も出てきてしまいます。HDR化したことで他のディスプレイに対してプロジェクタの画質的に優位といえる部分が、徐々になくなっていって、大画面化以外のメリットがなくなってきつつあるように見えます。
プロジェクタはよりニッチになるかも
私もプロジェクタの映像や映画館っぽい演出などが好きで、今のシアタールームを作りましたが、我が家のような大きくはない部屋のディスプレイとして考えたとき、SONY BRAVIA KJ-75Z9Dを使っていると、これ以上大きいのは必要ないような気さえしてきます。
部屋の小さい日本では専用室で大画面は難しいのが実情ですし、リビングシアターなどが増えれば、なおさらテレビの方が有利になっていって、テレビの大画面化がさらに進むと、ホームシアターユースのプロジェクタはさらに需要が細り、国内メーカーの撤退なんてことも出てきてしまうかもしれませんね。そうならないことを願います。
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