新規設計のカスタムメイド・ドライバー・ユニット
ドライバー・ユニットは、いずれもソナス・ファベールがこのシリーズのために新規設計したカスタムメイドです。シリーズ3機種の高音域を担うツイーターは、いずれもドイツの名門ブランド、ドクトル・クルト・ミューラー(DKM)製のシルク・ソフトドームで、口径は29mm。
繊細にして澄明な高域再現性ゆえに、これまでソナス・ファベール上位機種にも採用されてきた実績と高い信頼性を誇る名門ならではの力量が、このシリーズにも遺憾なく注ぎ込まれています。広範囲な音波放射が可能なソフトドームを予めコーティング処理することにより強靱性をも獲得。これにより、音崩れなく精度高い再現能力と高い分解能を達成しています。
Chameleon B、Chameleon Cの中・低音域、Chameleon Tの中音域を担う150mm口径コーン・ドライバー・ユニットと、Chameleon Tの低音域を受け持つ180mm口径コーン・ドライバー・ユニットは、いずれも熱成形ポリプロピレン・ダイアフラムとすることにより、しなやかで弾力性に富んだパフォーマンスを実現。
そのダイナミックなピストン・モーションを阻害しないようフリー・コンプレッション・バスケットにマウントされており、常時高いリニアリティーを発揮します。
Chameleon Tでは、150mm口径パッシヴ・ラジエーターを設けることで、ダイナミックかつナチュラルな中・低音域レスポンスを獲得しています。
試聴を重ねて練り上げたクロスオーバー・ネットワーク
これらの高性能ドライバー・ユニット構成をシームレスに結び、絶妙な帯域バランスを創成しているのが、やはりこのシリーズ専用として新規設計されているクロスオーバー・ネットワークです。
パーツの試験と厳選はもちろんのこと、測定と試聴を幾度も繰り返すことにより奥行きと立体感の際立った音場を追求してきたソナス・ファベールの音づくりは、ここでも徹底しています。もちろん、基板はキャビネット振動の影響を受けないよう制振処理を施した上で最適位置に固定されています。
Chameleon T、Chameleon B の入力端子はいずれも大型で、バイワイヤー/バイアンプ接続にも対応。スペードラグやバナナプラグでの接続、ケーブルダイレクトも可能なため、お手持ちのシステムに合わせた自在なセッティングができます。
仕様
Chameleon Tの仕様は以下の一覧のとおりです。
形式 | 3 ウェイ 4 スピーカー、フロア・スタンディング型フロント・バスレフ形式 |
使用ドライバー・ユニット | <高域> 29mm シルク・ソフトドーム型 <中域> 150mm 口径 ポリプロピレン・コーン型 <低域> 180mm 口径 ポリプロピレン・コーン型 |
クロスオーバー周波数 | 250Hz/2.5kHz |
周波数特性 | 38Hz~25kHz |
出力音圧レベル | 90dB SPL |
インピーダンス | 4Ω |
耐入力 | 40~300W |
寸法 | 270W×1060H×355D mm |
重量 | 20kg(1 本、サイド・パネル含む) |
キャビネット仕上げ | ブラック・レザー仕上げ |
付属品 | サラン・ネット、スパイク、スパイク・ベース |
カタログから感じること
高さ1m強のスピーカーで、特段奥行きなども大きいわけでもなく、重量も20kgと常識的な範囲のスピーカーですが、外観に対しては通常のスピーカーとはかなり趣が異なります。
お国柄でしょうか、キャビネットをブラックレザーで仕上げ、制震をかねたサイドパネルの色を交換することで、インテリアとしてのスピーカーの雰囲気を気軽に着せ替えできるというのは、デザインや家具の製造に長けたイタリアらしいという印象を受けますね。
個人的にはSonus faberというとSTRADIVARI HomageやElipsaのイメージが強く残っていて、デザイン的には傾斜した形が印象的な上に、弦楽器の音の再現に優れたスピーカーというイメージを持っています。
フロントバスレフ型スピーカーを聞いた記憶はほとんどないので、膨らんだ低音の嫌いな私としては少し懸念材料ではあります。中古品でしかもそれなりに大きなものを運ぶとなると、ピアノなどを運搬する業者を使わないといけないようで、発送に1週間かかり到着は当分先のようです。
すでに現行ラインナップは設計者が変わっていて、その雰囲気も変わっていますが、末弟とはいえSonus faberのDNAを継いだモデルです。上位機種ほどではないにしろどんな音がするのかは楽しみです。
Her-
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