電源の位相の問題
システム全体をHONDA LiB-AID E500 for Musicから供給できれば、また違う試聴結果になるかもしれませんが、大きな電力を必要とするアンプ類をコンセントから供給し、上流だけバッテリ駆動する場合は、電源の位相の違いも気になるところです。
我が家ではシアタールームを黒相、オーディオルームを赤相に分けて、部屋ごとに相互干渉を低減するように相を分けて配線をしていただきました。計画当初の案では部屋ごとではなく、アナログ機器は黒相、デジタル機器は赤相といった分け方も検討したことがありましたが、1つのシステムで相の違う電源から供給された機器を接続して再生すると音の位相も崩れるらしく、島元社長に「おすすめしない」と却下された経緯があります。
このことと同じことがコンセント供給による位相とバッテリ供給によって再生成された位相との間に位相差が発生することも十分に考えられますし、今回の試聴ではX1のみHONDA LiB-AID E500 for Musicから供給という形になりましたが、上記の位相差の問題が起こっている可能性もありそうです。
ノイズが回り込まないように、それぞれの機器向けに電力の供給元を複数に分けたくなるのがオーディオマニアの性かもしれませんが、複数のバッテリを使っての供給でも上記のような位相差は発生するのではないかと推測されます。
実際、オーディオ電源工事を行った同じ相のコンセントから各機器への電源を供給した音を聞いてみて、勢いやピタッとした統一感を聞いて、位相の話も腑に落ちる気がします。
電力の瞬間供給能力
オーディオ専用電源工事をしてみて、家庭用分電盤から供給していた時に比べると、非常にクリアで音の骨格はしっかりとして力感が明らかに変わりましたし、音の違いははっきり出ましたので、その音の違いが計測結果に表れるはずだと思って長期間モニタリングをしてみたものの、なかなか測定結果からは有意な差を見出すことはできなかったのは事実です。
さらに踏み込んで、音楽再生中のリアルタイムの電圧の変動などを詳しく観察したかったんですが、それをするには専門的な知識と高価な計測機器が必要になりそうなのでできませんでしたが、瞬間的な電圧の変動にはオーディオ専用電源工事に優位性がありそうです。
例えばHONDA LiB-AID E500 for Musicに関しては最大出力は500Wしかありませんし、バッテリの容量も小さいので、プリメインアンプを接続するバッテリが半分ほど消費されたころから突然力感が失われます。バッテリの充電状態によってムラが出やすいといえるかもしれません。
オーディオ専用電源工事によって、幹線分岐によって家庭用の電線から即供給されている分電盤から、直接供給されている壁コンセントから供給する方が、瞬間的な出力は高く、電圧の変動が小さいのは想像に難くありません。この余裕は音に表れていると思います。
蓄電池システムから、上流機器からアンプ類まで駆動させるためには、D級アンプのような省電力のものであれば可能ですが、消費電力の高いアンプ類は厳しいと思いますし、そもそも蓄電池にトランスを搭載している機器を接続すると故障の原因になることもあるので止めた方がいいかもしれません。
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