ネットワーク同士を接続するのがルータの役割
ネットワークを2つに分割して、パソコンのやり取りにネットワークオーディオの機器を関わらせないようにすることが可能です。しかし、2つ(以上)のネットワークを分割しつつ、互いのネットワークを接続するためには、ルータの機能が必要となります。
ルータの本来の役割はインターネットに接続するためではなく、ネットワーク同士を接続することにあります。インターネットもまた、複雑に分割されたネットワークの集合体で、インターネットの世界には数え切れないほどのルータがまるで夜空の星座のように相互に接続しています。
家庭用で使われているルータがインターネットと家庭内LANを接続するように、パソコン用のネットワークと、ネットワークオーディオ用のネットワークを接続するにもルータが必要となります。
家庭用ルータを2台使う場合
一般的に販売しているインターネット接続用の家庭用ルータは、インターネットと家庭内LANの2つのネットワークを接続することに特化して作られているため、1台ではインターネットと、パソコン用ネットワーク、ネットワークオーディオ用のネットワークの3つのネットワークを接続することができません。
業務用のルータを使えば3つ以上のネットワークを接続することも可能ですが、業務用ルータは比較的高価ですし、設定も家庭用ルータに比べると難しいこともあります。家庭用ルータで実現するのであればルータを2台用意して、ルータ2をブリッジモードにして多段にして使うのが一番簡単でしょう。(※ルータモードだとパソコンからNASへのアクセスにNATという設定を使わなくてはいけなくなります。)
インターネット─(ルータ1)─パソコン用─(ルータ2)─ネットワークオーディオ用
このように接続することで、3つのネットワークを2つのルータで接続することができます。ただしこの時、ネットワークオーディオをインターネットに接続するためにはそれぞれのルータにルーティング(静的経路設定)という設定が必要となります。
ルーティングとはパソコンやルータが自分が接続しているネットワーク以外の通信をどこ宛に送ればいいのかを示した地図のようなものです。ネットワークオーディオ用が192.168.2.0/24というアドレスであれば、
ルータ1に「192.168.2.0/24への通信はルータ2へ渡してください。」
と設定し、逆に
ルータ2に「インターネットへの通信はルータ1へ渡してください。」
と設定してあげることで直接接続していない機器同士を通信させる橋渡しをします。
コメント