レビュー:AVC-A1HDとの直接比較
それぞれの試聴パート別に印象を記載していきます。
AVC-A1HDの印象
大切に白河に保存されていたAVC-A1HDを、今回のスピーカーなども含めて持ち込まれたようですが、部屋いっぱいに広がるクリアで制動の効いたサウンドで、とても10年前のモデルとは思えないハイクオリティなサウンドになっていたと思います。
私も2016年初めまでは、AVP-A1HD/POA-A1HDを使ってきたので、頭の中の補正にとても参考になりました。
AVC-X8500Hの印象~AVC-A1HDと比較して~
少しAVC-A1HDのときより音量が大きいのかな?と思いましたが、B&W 804D3の少し硬い高音も手伝って、エレキギターの音や、金属のぶつかり合ったあとの共振したキーンとした音は耳が痛いくらいに切れがよく、マーカスミラーのエレキベースにしても、ダイハード4.0の爆撃にしてもストレートで重く、でも切れ味鋭く、低音の解像度高さと、中音域の厚みも少し増して高音域から低音域までレンジか広い印象です。
ダイハード4.0で瓦礫が崩れるバラバラとした音や、グラディエーターの観客の歓声など、団子になってしまいそうな音が、音の制動力の向上に伴って高い解像度を維持し、高さ方向の広がりを感じられるようになります。
AVC-X8500Hの印象~バイアンプ駆動~
AVC-X8500Hの設定と各スピーカーの配線を変更し、5.1chバイアンプ駆動に切り替えてみると、低音の制動力が半端ではなく、とても一体型AVアンプから出てくる音とは思えません。
高音と低音の信号を分離したことによって、それぞれの音の解像度と力感が増し、とにかく細かい音が耳に入ってくるようになります。グラディエーターでは、剣同士の金属が強くぶつかり合う音の硬質な衝撃音に、その後に起こる共振したキーンとした音が、きれいに分離されて表現され、共振の消え入る音までよく耳に入ってきます。
ダイハード4.0では低音の制動力が大きく向上することで、戦闘機が通り抜ける際の轟音も切れ味鋭く疾走感が高まりますし、戦闘機のホバーリングする轟音の中で、落ちそうになって吹かしたトラックのエンジン音がうなりを上げている様子が耳に入ってきて、2種類の轟音が混じった複雑な音がしっかり分離されているのが良くわかりました。
バイアンプ駆動は魅力的
トップスピーカーは必要ないと感じて、今もAVC-A1HDを使い続けている人なら、このAVC-X8500Hに乗り換えてバイアンプ駆動する価値があると思います。正直一体型AVアンプとは思えない制動力を見せ付けられた感じがしました。半端なセパレートアンプなら負けてしまうかもしれません。
バイアンプ駆動に関しては、カスタム設定で各チャンネルごとに切り替えが可能だそうなので、13ch分の内使わないチャンネルに関しては、フロントとセンター計3chだけバイアンプ駆動とか、フロントとサラウンド計4chだけバイアンプ駆動をして、残りはシングルで5.1.4ch構成にすることも可能です。
私の使っていたAVプリアンプ AVP-A1HDは7~8年で故障し、その後修理をして直りはしましたが、AVC-A1HDも基本的な設計は同じで、使い方によっては寿命も近いと思うのでそろそろ乗り換えるのも手ですね。
次は4K UrtraHD Blu-rayによるAVC-X8500H単体の試聴に移ります。
コメント