だからアウトレット/在庫処分セールがある
アウトレットセールや在庫処分セールなどがあるのは、不良在庫を抱えて損失が出るよりは、利益がでなくても在庫をなくす方がメリットが大きいからです。
企業に体力があれば、スケールメリットを生かして、1つあたりの原材料費や開発費を抑え、安価に提供することができますが、中小企業ではその体力がないので、不良在庫を抱えるリスクは極力小さくするために、どうしても少数ロットでリスクを極力抑えて販売せざるを得ない部分があるので、単価が高くなってしまう傾向にあります。そういったリスクが価格に反映されているので、ハイエンドアクセサリは高価なのです。
しかし機器やアクセサリの価格の内、製造までにかかるコストはその半分程度でしかありません。そこには流通コストが多分に上乗せされています。この流通構造を見ると、メーカー、特に中小メーカーの立場は、思いの外弱いものだということがわかります。
流通コスト
多少製品によっても違うと思いますし、私も流通コストの隅々まで知っているわけではないので概要になりますが、商品は原材料を製造する工場から、製品を製造するメーカー、仲卸、販売店と流れ、その価格には以下のような各業者の利益を含めたコストが反映されています。およそ以下のような割合です。
販売価格=素材原価:25%+製品製造:30%+問屋:10%+販売店:35%
- 素材原価:工場で材料を製造するのにかかる製造費、人件費などコスト、
- 製品製造:メーカーが商品を製品化するまでの開発費や宣伝費、人件費などのコスト
- 問屋:メーカーから保管費用、人件費などの販売店へ仲介するコスト
- 販売店:ユーザーに販売するのにかかる人件費などを含めた販売コスト
素材と製造に関することは先に書いた通りですが、それ以外に問屋や販売店が商品を仕入れて、コストと利益を上乗せして、消費税を加えたものが、我々が買う価格となります。
中間コストを削減する
先ほどの素材工場→製造メーカー→問屋→販売店という商品の流れを見れば、安売りしたい販売店が考えることは決まっています。
仕入れ値を抑えるために、問屋が抱えている不良在庫を安く叩いて仕入れる方法が1つ。
そして問屋を挟まずにメーカーと直接取引する方法がもう1つです。これだけで希望小売価格の10%は安く仕入れることができます。
問屋も販売店も売れるものは積極的に仕入れますし、売る努力をしますが、売れていないものを積極的には売らないので、メーカーには仕入れ値を抑えるために、販売店から卸価格を下げるように圧力がかかりますし、売ってもらいたいメーカーとしてはそれに応じざるを得なくなり、中小メーカーの場合、立場が弱くなりやすい構造になっています。
メーカー直販は利益率が高い
これに対してメーカーもただ指をくわえているわけではありません。逆のパターンとして、メーカーが直接売る直営店というものがあります。
ラインナップは限られてしまいますが、利益率が一番高いのはこの形態でしょう。希望小売価格で売れた場合40~50%近い利益が出ますからね。直販店は安売りしようと思えばできますが、販売店や問屋との関係がありますから、あまり大きな値下げは公にはできません。
さて冒頭の話から、ずいぶん離れたところまで話が広がりましたが、流通の仕組みやそこにかかっているコストや利益の構造が分かると、一番利益を上げているのがどこなのか?メーカーから直接購入することが、ユーザーとメーカーの両者にどういうメリットを生み出すのか?簡単にイメージできると思います。
冒頭で私が100万円のケーブルを購入できた理由、お分かりいただけたでしょうか?
Her-
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