シアタールームのネットワーク分離
前回の記事で、シアタールームのネットワークの分離を行うにあたって理由と問題点について書きました。
今回は具体的にどう切り離すか、について方法の検討過程を書いてていきます。※本稿ではL2スイッチを慣用名のスイッチングハブと記述します。
(1)物理的に切り離す
これが最も簡単な方法だと思いますが、Planex FX-08Miniと接続されている機器だけ他のスイッチングハブとは接続せずに、独立して運用する方法です。
メリット、デメリットには以下のようなものが考えられます。
メリット
- 余計な機器の追加が必要ない
- LANケーブルを経由して入ってくるノイズをシャットアウトできる
デメリット
- インターネットへの接続ができない
- NASとプレーヤのIPアドレスを固定しなくてはいけない
- 無線LANがなくなるため追加が必要、もしくはタブレットなどから操作できない
- リッピングした音楽ファイルをNASに保存できない
メリットに関しては、物理的な接続を切り離すだけなので、機器の追加はありませんし、余計な通信だけではなく、LANケーブル経由で入ってくるノイズも気にする必要がなくなります。ノイズフィルタなども考える必要性はなくなります。
デメリットが結構大きいのですが、ネットワークオーディオを構築する上でNAS、ネットワークオーディオプレーヤ、タブレットは重要な要素ですから、無線LANから切り離されることによって、タブレットからの通信はできなくなり、プレーヤの小さな液晶画面と、リモコンで操作することになります。タブレットを使う場合には別途アクセスポイントなどを増設する必要があるでしょう。他の機器やインターネットへ接続できないので、アップデートもできませんし、音楽ファイルの追加もできなくなります。必要な時に通常のネットワークに参加させればできますが、かなり不便です。
またルータなどのDHCPサーバ機能もなくなるので、NASやネットワークオーディオプレーヤのIPアドレスは手動で固定のIPアドレスを設定しなくてはいけません。固定でIPアドレスを割り当てる場合、本来のホームネットワークに参加させるときには固定IPアドレスを削除して、自動割り当て(DHCP)に設定しなおさなくてはいけません。
2つのネットワークに物理的に分離するという案はかなり不便になることが想定されます。利便性の向上のためにネットワークオーディオを導入したのに、これでは本末転倒です。
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