感想の前に
感想を書く前に、今回の評価は個人的には非常に悩ましいものになったことを最初に一言申し上げておきます。試聴会の中で使われているスピーカーについて、個人的にこのメーカーのスピーカーには何もマイナスの印象は持っていませんが、このスピーカーの音はプレーヤーの試聴会として使うのは、どうにも向いていないのではないかと思いました。
このスピーカーには独特の響きがあります。ユニットの特性でもありますが、それがこのメーカーのスピーカーの個性であり、それを好むかどうかは個人の趣向ですが、強い個性のあるスピーカーの音を聞かせたいのか、UDP-205を聞かせているのか、良くわからなくなる環境では評価を難しくすると感じます。
そういう意味で今回のレビューでは歯切れの悪い感想を書いている部分があるかもしれませんが、私のレビューをする上での苦悩だと思って読んでいただきたいです。
感想
オーディオプレーヤーとしての音
BDP-105D JAPAN LIMITEDから再生し、UDP-205で再び試聴という流れで聞きました。実は私はBDP-105D JAPAN LIMITEDを聞くのは初めて、というかOPPO製品を体験すること自体が今回が初めてです。
Blu-ray時代はDENON DVD-A1UDを発売日にすぐに購入してしまって、OPPO製品に興味がなかったんですが、最近オーディオメーカーは4K進出には及び腰で、4K UHD Blu-rayプレーヤーの候補が少なくなってしまったので、自然と興味も抱くようになりますね。
席は中央は取れず中央より少し外れたところだったので、音から感じられる雰囲気だけでもお伝えできればと思います。
BDP-105D JAPAN LIMITEDから再生される音は、金属的な艶のある高音、強い低音が感じられましたが、中音域が足りない印象で、ELACのスピーカーの硬い音と相まって、私には高音がキンキンしてきつくて「これが高音質なの?」と思ったくらいで、スピーカーが苦しそうに聞こえました。この時点でなぜELACと組み合わせたんだろう?と疑問に思います。
同じ音源をUDP-205で聞き直すと、ELACの硬さが幾分緩和され、中音域に厚みが出て、スピーカーの裏に展開するような、ふくよかな音の広がりが感じられるようになり、麻倉さんやOPPOの方の説明してくださったとおり、中低音域に改善が感じられました。
ELACの音の硬さのわりに音に広がりがでていて、20万円という価格を考えると確かに音がよいのかもしれないとこの時思いました。「しれない」と書かざるを得ないのは、ELACのスピーカーがやや暴れている印象で硬さが悪い方向(キンキンしている)に出ていて、苦しそうに聞こえたからです。
ELACのスピーカーは綺麗に鳴らせば、とても透明感のある艶やかな高音になるはずで、もう少しELACのスピーカーの響きが気持ちよく響くような、セッティングで聞かせてほしかったです。筐体が小さい割に音量出しすぎかなと。
アナログとHDMIの音について
またアナログ出力とHDMIケーブルによるデジタル出力の音の比較もありましたが、HDMIで聞いても明らかに音が悪いなどということはもちろんなく、「HDMIオーディオ・ジッター・リダクション・サーキット」による恩恵か、アナログだデジタルだというようなことを気にせず聞ける品質だったと思います。
とはいえ、アナログの方が音のつながりが滑らかで柔らかく、比較してしまえば、HDMIの方にややとげがあるような印象を受けました。ケーブル次第なところもあるかもしれませんがね。
ELACの音の硬さを加味して考えると、DACの性能の良さを前面に出す薄くて硬いファイルオーディオ的な印象はなく、20万円という価格帯で音の広がりと柔らかさ、高音の艶、しっかりした低音のアタック感などに加え、演奏者の気配のようなものが漂うオーディオプレーヤーとしてのポテンシャルを感じさせるプレーヤーという印象を抱きました。少なくともPanasonic DMP-UB900のような腰高な軽いサウンドとは違います。
余談として、4K映像の試聴に入る前に映像の出力設定を「1080オート」から「UHDオート」に変更する作業をしていたので、「1080オート」の方が音質にゲインがあるのだと思います。アップコンバート機能や色情報の拡張などがなくなって負担が減ることで音質的に向上するのではないかと推測します。
「後編:4K UHDプレーヤー編」へと続きます。
Her-
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