電源部分はかなり複雑なので私も詳しくは書くことができませんが、すべての機器をELIIY POWER Power YIILE 3から100Vで供給しているとおっしゃっていたと思います。
シアタールームとなっているのは2階で、その真下にある1階に配電盤などと一緒に設置されていました。
バッテリー単体の効果は疑問
電力の出力が大きいためか、システムから出てくるとは力強いですが、S/N比は高くありませんし、なぜか音の定位が中央に集まって聞こえ、音が部屋に広がっていかない印象を受けます。
通常、残響音が空間に広がって消えていく様子が音から感じられ、その残響音が繊細なほど空間の広がりを感じることができるものですが、あきらかにそういった音の広がりがありません。音はスピーカーの間にしか存在しないという奇妙な音場でした。
バッテリから出力される波形は、歪みがカタログ値Accuphase PS-1230を使った実測で3%THDを超えた(おそらく単体では2~2.5%THD程度と推定している)そうで、波形自体は家庭用の商用電源と接続しているのと大差なさそうです。
マンションなどでは効果があるかもしれませんが、我が家の環境は高い時でも3%THD以下なので、あまりきれいな波形とは言えないかもしれません。※ご本人のご指摘により歪み率の数値について修正しました。
バッテリは使いこなし次第かな
商用電流に比べれば電圧の変動は少ないので、使い方次第では安定した音になる可能性もありますが、前述の音の広がりの悪さを考えると、こうした波形には表れていないノイズの影響があるのではないかと推測します。
入力側の電源を抜けば多少改善する可能性はあると思いますし、その効果は相対的なものなので導入する家庭によってはまた結果も異なるかもしれませんが、個人的にはPower YIILE3の導入のメリットは薄そうです。
これは実体験ではなくNyansさんから聞いた話ですが、Power YIILE 3と機器の間にトランスを入れると盛大に唸り、歪み率も跳ね上がるそうです。Power YIILE 3のマニュアルを確認すると後段にトランスを入れるのはやめるよう書いてあります。※マニュアルを見せていただけたので修正しました。
LINNの機器たちはDYNAMIK Power Supplyというスイッチング電源だと思いますが、その他トランスを積んでいるオーディオ機器との相性が良くないのかもしれません。
またPower YIILE 3は別宅へ譲渡されるそうなので、そちらでも試聴してみて、再評価ができたら良いなと思っています。それは後日として、実はPower YIILE 3は前座に過ぎませんでした。この後別のバッテリを比較試聴することができたのです。ニチコン ESS-P1S1です。これを使ったシステムの音を聴いてみたかったから参加したといっても過言ではありません。
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