Theater邸へ伺ってみると、そこにはFAL社の方がまだいらして、ご挨拶をして名刺をいただきつつ、早速Ultima C Vertical Twinでオーケストラの演奏で音を聞かせていただきました。以前は明らかに違和感を感じていた右下の振動板ユニットからは、以前のようなビリつきは感じられなくなっています。
調整前は振動版にかすかに何かが当たっていたようですが、この日の作業でそれが解消されて、ユニットごとの差異はかなり小さくなったように思えます。
視覚的に感じる音の陰り
私は音を柔らかい、硬いといった触覚的な感覚や、明るい暗い、暖色寒色、SN比は黒などとして視覚的な色として認識しています。私はこれは程度の差こそあれ誰もが感じているものだと思っていますが、時に映像として浮かぶこともあり、例えば、S/N比の高いシステムで聴くと、頭の中には暗闇の中に水面と波紋が描かれることがよくありますし、音から風景を描くことも多々あります。
今回のUltima C Vertical Twinでもユニットとしての状態は、右上、左上、左下、右下の順で良いそうですが、私には下の写真のようなイメージで、左上が一番明るく元気で、右下が一番重く暗いので、右下が陰っているように感じられます。
事前情報がなければ、私も含めてこのユニット差異を楽器演奏で判別できる方は少ないと思いますが、ボーカルの入った曲になると途端に声の定位は上にあることが分かり、ユニットごとの差が分かりやすいです。
これだけ繊細な反応をする平面振動板は、わずかな重量(1g単位)の差が音に出やすい印象を受けるので、現行ラインナップの新品でも、わずかなばらつきは出てしまうでしょう。
また発売当時の劣化したパーツを交換していることもあり、性能という意味ではオリジナル以上の性能をすでに発揮しているでしょうから、そういったことを考慮すれば、今回の調整で95%程度の完成度といっていいのではないでしょうか。
これ以上追い込むならユニット交換が現実的?
これ以上追い込んで違和感をなくそうとすると、状態の良いユニットの性能を落とす方法が現実的な案ですが、性能か統一感かトレードオフになるので今のままの方がいいかもしれません。今後の調整は結構大変だと思いますが、頑張ってほしいですね。
小さい方のFLAT-Bを搭載したスピーカーもこれから修理されるとか、Ultima C Vertical Twinほどではないと思いますが、こちらはユニットも少ないですし、左右差が少なければ違和感は感じにくいと思うので、本領が発揮されるようになれば、楽しみなスピーカーですね。
いつか時間ができたらFALの試聴室にも伺ってみたいと思っています。
Her-
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