ASAHIネットのIPv6 over IPv4は通信事業者向けのみ
では対応ルータを購入すればIPv4 over IPv6技術による接続が可能なのでしょうか?ASAHIネットのHPを詳しく見ていくと、以下のように記載されています。
ASAHIネットのIPv6接続サービスについて
ASAHIネットでは、「v6 コネクト」の基本サービスを利用して「IPv6接続機能」をご提供しております。
このASAHIネット「IPv6接続機能」につきましては、現時点では「v6 コネクト」の以下オプションサービスをご利用いただくことはできません。
- DS-Lite方式によるIPv4 over IPv6接続機能
- IPIP方式によるIPv4 over IPv6接続機能
ASAHIネットでは、より安定した高品質な接続サービスを維持し続けるためにIPv4接続サービス(PPPoE方式)とIPv6接続サービス(IPoE方式)の双方を提供することで通信サービスの向上に努めておりますので、引き続き同様の方式にて接続サービスをご提供させていただきます。
“https://asahi-net.jp/support/news/190902.html”
ASAHIネットの電気通信事業者向けに提供するIPv6接続サービスに「v6 コネクト」というサービスがあり、そちらではIPv4 over IPv6接続機能は使うことができるそうですが、フレッツ光ネクストを含むASAHIネットの提供する光接続サービスに提供されているIPv6接続機能にはIPv4 over IPv6が適用されません。つまり対応ルータを購入してもIPoEの恩恵はほとんど受けられないということですね。
IPv4とIPv6
IPv6とIPv4という2つのネットワークが存在するのはなぜなのかといえば、単純にIPアドレスが足りないからです。
IPv4が使用可能なIPアドレスの数は約43億(= 4.3×109)個です。世界の人口が70億人以上と考えると1人1つは使えませんし、我々は日常的にパソコン、スマートフォン、家電、AV機器など、IPアドレスが必要な機器を1人で複数台使用していますので、世界中のネットワーク機器をインターネットに接続することができません。
でも誰もがスマートフォンやパソコンを使ってインターネットに接続できていますよね?それを陰で支えているのがブロードバンドルータであり、常に不足するIPアドレスを補うために活躍しています。
インターネット上に公開されるIPアドレスをグローバルIPアドレスといいますが、これは世界でそれぞれ1つしか使えません。一方家庭内LANで使うプライベートIPアドレスは、各家庭で同じもの(例えば192.168.0.1)を使っています。これはIPアドレスの範囲を、ルールを決めてグローバルで使うものと、プライベートで使うものに使い分けているから同じものが使えるんです。
ブロードバンドルータが1つのグローバルIPアドレスをISPから借り受けて、NAT(NAPT)という技術を使って、家庭内LANのパソコンやスマートフォンなどからのプライベートIPアドレスの通信をグローバルIPアドレスに変換し仲介しています。家の電話の親機と子機が使う外線電話番号と内線電話番号のような違いだといえばわかりやすいでしょうか。
しかしそれでもパソコンが急速に普及し、スマートフォンは爆発的に世界中に広がったこともあって、IPv4のIPアドレスは枯渇寸前と何年も前から言われて続けています。それを解決するために作られたのがIPv6です。
IPv6は約340澗(= 3.4×1038)個というほぼ無限に近い数のIPアドレスが使えます。つまりルータによる仲介をしなくても、それぞれのスマートフォンやパソコン、家電、AV機器にグローバルIPアドレスを割り振ることができてしまいます。
じゃあルータはいらないのか?というとそういうわけでもありません。
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