10年以上前から始まった音楽ファイルデータベース
私が音楽ファイルを収集するようになったのは、西暦2000年頃だったと思います。当時はまだCDに収録されている音楽データを、現在のようにパソコンに取り込んで利用することが一般的ではありませんでした。CD-Rが登場し始めて、ようやく普及に入ろうかという時代だったので、取り込む目的はもっぱらCDのコピーだったと思います。
私もCD-Rドライブ(確かTEAC製だったと思う)を購入して、当時のCD-Rはまだまだ不安定だったので、リッピングライティング専用PCを作って、CDから好きな曲を選曲してCD-Rに焼いてオリジナルCDを作ったりしていましたが、リッピングしたデータはHDDの容量を圧迫するのですぐに削除していました。
CDに収録されているデータが1曲のWAVファイルの容量が40~50MB程度、1枚当たり500MB~600MBくらいに対して、パソコンで利用されているHDDの容量が数GB~10GB前後しかなかったので、HDD丸ごと音楽データを保存したとしても、CD15枚分、約100~200曲程度しか保存できず、音楽ファイルをパソコン内に取り込んで利用するということが、難しい状況だったとも言えます。
mp3の登場
そこに「CDと同等の音質で容量を1/10にできる」 という謳い文句で、「mp3(MPEG-1 Audio Layer-3)」というオーディオコーデック、音声の圧縮技術が登場しました。
この非可逆圧縮技術によって、これまでのHDDの容量ではCD15枚分のデータしか保存できなかったものが、150枚分、およそ1000~2000曲保存できるようになり、いつでも好きな曲を好きな順番で呼び出すことができるJukeBox的な使い方ができるようになりました。私にとってパソコンと音楽データの位置づけは大きく変わる出来事でした。
今思えば実際の音質はもちろん圧縮前のWAVデータには及びませんが、当時それほど音質を重視していなかった私には十分でしたし、とにかく自分のパソコンに2000曲が収納されいつでも好きな時に聞くことができるJukeboxの利便性に衝撃を受けて、とにかく音楽ファイルを集めまくることに注力していくことになりました。
ただ音楽を集めるだけでは意味はなくそれを再生する環境も必要です。
再生環境の模索
当時のPCは非力で、デスクトップPCでもCPUは良くても1GHz程度、OSもまだWindows98が主流で、今のタブレットやスマホよりも非力で不安定だったかもしれません。作業しながら音楽を聞くためには動作が軽いものが必須でした。
軽くて安定して動作し、比較的音質も良いと言われたフリーソフトの「Audioactive Player」や「Sound Player Lilith」を使って再生していました。
音源が充実していくに連れて、移動中も聞くことができるようにポータブルで再生できる環境を探すようになりました。当時はガラケーの時代で、スマホは存在しません。ガラケーにも音楽再生機能はありませんでしたし、細々と携帯メモリープレーヤーが、マイナーメーカーからいくつか発売されている程度でした。
KENWOOD DCP-MP727
携帯メモリプレーヤーは、首にかけることができるほどの軽さと小ささが魅力でしたが、取り込めるデータ量が32~64MBと十数曲程度しか入らず、MDプレーヤーなどと差がないのが不満で、mp3再生可能なCDプレーヤーKENWOOD DCP-MP727を使い始めました。
2001年4月発売のこのプレーヤーは通常のCD再生に加えて、CD-RやCD-RWに書き込んだmp3やwmaのデータを再生できるプレーヤーで、初めて国内の有名メーカーから発売されたものだったと思います。700MBのCD-RにCD十数枚分の音楽を入れて、どこでも好きな曲を選んで再生できる環境を手に入れて、その便利さにはまっていきました。
とはいえ、DCP-MP727には不満な点はいくつかあり、まず大きくてかさばること、CDプレーヤーなので、時に音飛びはしますし、曲の入れ替えをするときには、CD-RやCD-RWの作り直しが必要な点は不便でした。
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