100万円のケーブルが買えた理由
100万円という破格の価格設定がされたケーブルAcoustic Revive XLR-absoluteを年始に試聴する機会をいただく機会があり、そのレビューはすでに記事しました。
そして購入したことはすでに軽く先月の断捨離記事で触れていますが、なぜプレーヤーやアンプよりも高価なケーブルを購入するに至ったのか、その購入の過程を書いておきたいと思います。
我々が商品を購入する際の価格とは、何でしょうか?
商品の価格は原価だけでは決まらない
我々が目にする価格に大きく分けて2つの価格が存在し、いわゆる希望小売価格などの参考価格と、実際に購入する実売価格があります。
町の電器屋さんはほとんど希望小売価格に近い価格で販売されていて割高ですし、量販店やネットショップで購入する方が安いので、私もオーディオ機器は懇意にしている量販店の店員さんから購入することが多いです。
最近はオープン価格というのも増えていますが、実際には裏に想定希望小売価格のようなものがあり、量販店は大体その価格の7~8割で販売されています。常連さんになれば、さらに5%くらいは割安になるので、私が普段購入しているのは希望小売価格の7割程度になりますし、いつもそのくらいを想定して購入するか判断しています。
なぜ町の電器屋さんと量販店で価格が違うのかといえば、販売するお店が利益をいくらにするか決められるからです。
町の電器屋さんは商品がたくさん売れるわけではないので、1つあたりの利益を大きくしないと、利益を出すのが難しく、量販店のような価格で売ってしまえば経営は苦しくなります。
一方量販店は、安くしてたくさん売る、薄利多売によってトータルの利益を大きくすることができるので、7~8割という価格で販売することができるわけです。
私たちが購入するときにはメーカーの利益だけではなく、販売店に商品が並ぶまでに必要なコストはもちろん、問屋などの仲介業者の利益や、販売店自身の利益が上積みされています。
よく素材原価は安いのに、ボッタクリだという人もいます。では素材原価とは何でしょうか?
材料はただの石ころ
素材原価といいますが、本来素材には価格はありません。ケーブルに使われる銅や銀、プラグのメッキに使われる金やロジウムなど、その素材は元はと言えば土の中に埋まっている石ころです。石ころを拾うだけならお金はかかりません。
素材に価格があるのは、素材の元が含まれる鉱石や液体などを地中などから堀り起こし、材料として使える純度まで精製するのに様々なコストがかかるからです。一部の貴金属や鉱石にはそこに希少価値や付加価値などがつきますが、一般的な素材原価にはその製造にかかったコストが反映されます。
こうした一般的な素材原価はオーディオ関連のアクセサリの価格を考えるとはるかに安いですし、オーディオ関連のアクセサリには量産品と比較すれば、異常といえるほど高価なものが当たり前のように存在しています。しかし量産品に比べて高価なのにはそれなりの理由があります。