2022/1/20不定期更新に変更します

アイキューブド研究所S-Vision技術デモで試作UHDBDプレーヤーを体験レビュー

8K/4K/HDR&DolbyAtmos

S-Visionの作り出す映像(動画)

静止画での比較の後、風景を中心とした映像として「宮古島」の4K Ultra HD Blu-rayを見せていただき、上記の画像を映像として改めて見せていただきました。S-Visionで再生された映像はとてもSDRの映像とは思えません。

最後に人物やロボットが登場する「チャッピー」の4K Ultra HD Blu-rayを比較試聴させていただいたんですが、ロボットのゴツゴツした凹凸感も、金属の輝きなども明らかにS-Visionの方が立体的で、背景に目を移してみてもS-Visionの映像はちゃんとピントが合います。

HDRの方が陰影の表現で負けていると思ってしまいましたが、最後に驚きの事実が公開されました。「チャッピー」の映像は、HDRテレビは4K/24p(UrtraHD Blu-rayソフト)、S-Visionは2K/24p(Blu-rayソフト)だと、取り出したディスクを見せられて、またいい意味での騙された感を抱いてデモは終了となりました。

人間の目が見ている映像とは何なのか?

今回S-Visionの映像と見慣れているHDR液晶テレビの映像を比較することで、自分の中にある高画質という価値観にいろいろ疑問が湧いてきます。

  • 人間が遠近感を感じているのはどういう仕組みなのか?→目のピント調整?
  • 煌きや輝きを感じる条件は何なのか?→光の強調、コントラスト?
  • エッジが効いた映像がいい映像なのか?立体感とは何なのか?→陰影の強調感?
  • 我々が感じる光とHDRの違いは何なのか?→直接的な光と間接的な光?

これを理解するには専門的な勉強が必要ですし、私はその手のエンジニアではありませんので正確なことはわかりませんが、個人的に思ったのはコントラスト比と階調を均等ではなく、不均等に最適化しているのかなと…。

簡単に言えば、本当に明るい部分の階調を捨てて、輝きや煌きに相当するピーク輝度の部分はわざと白飛びさせ、立体感を表現するのに必要な暗い箇所に、階調表現を重み付けして動的に割り振り、人間の目をわざと暗いところに誘導し、白い箇所を明るいと誤認識させて、S-Visionは成り立っているような印象を持ちました。

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人間の目は例えば、暗い洞窟の中の暗い部分に焦点を合わせれば、人間は明るいところと暗いところ両方に目の感度を持ってこれないので、外はみんな白くなってしまいます。それを意図的に暗いところに誘導してしまえば明るいところは全部白になり階調を表現する必要がなくなります。

そして、同様に画面の隅々まで白飛びと暗い所の階調にメリハリをつければ、遠くまで白く霞んだ印象を持たせずに立体的に感じさせ、抜けるような空気感を出すことができると、そんなことなんじゃないかと思いました。(推測なので合致しているかは知りません。)

チャッピーを見ているときに、画面の明るさ全体が誤動作したような瞬間が垣間見えたので、基準がずれると光のバランスが崩れるのかもしれません。

製品化には課題も多そう

最後にいくつか質疑応答があり、製品化にはいろいろ課題もありそうです。今回FUNAI製テレビ側は、映像にかかる補正をすべて無効化した特別仕様のテレビを使っていましたが、S-Vision試作機をそのまま現在のハイビジョンテレビに使うと、余計な補正がかかって、S-Visionの意図とは違う映像になってしまい、脳を騙せなくなるようです。

では例えばテレビ側にS-Visionを搭載すればいいのではないかと思うわけですが、既存4Kテレビを販売している国内メーカーの技術とは共存するのが難しいので、専用のテレビになってしまうでしょう。そのときプレーヤーはどうなるのか?S-Visionを搭載してもいいというテレビメーカーが出てくるのか?といえば、既存メーカーでは無理でしょう。

個人的にはFUNAI製テレビFUNAI製専用プレーヤーの組み合わせでしか実現できないマニアックな製品になりそうな気がしますし、おそらく一部のマニアしか買わないので、数を売るのが難しく高級機しかだせないでしょうし、マニアが4Kテレビに出せる上限はおそらく100万円くらい、そのレベルまで価格が下げられるのかが課題になりそうな気がします。

世に出てくれるといいなぁ…。FUNAIさんがんばって!

Her-
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コメント

  1. 石川浅雄 より:

    S-Visionを是非とも製品化してほしいね。でもUHD4Kプレイヤーだと現状ではテレビが限定され
    消費者も戸惑い迷ってしまう危険性がある。現在船井電機のテレビはHDD付きなのでUHDBD4Kもつけて一体化してS-Visionテレビとして製品化してはどうでしょうか?現在、テレビ放送は以前からの魅力を失い、NET機能を備え、HDDも備えたのですから総体的なテレビーS-Visionとして、この革新的な事業を成功実現して欲しい。現在の4K HDRも美しい画質ではあるが過剰に明るく、作られた映像で違和感があり目が疲れます。映画館で見るように反射した映像が優しく心に響くのです。ついでに言えばプロジェクター(アンプ)に接続する端子も付けてくれるとテレビ裏の配線がスッキリします!それから4K60PビデオカメラのファイルもMP4のビットレートも上げて欲しいです。

    • Hermitage Hermitage より:

      石川浅雄さん、コメントありがとうございます。

      他のメーカーとの画質処理回路との相性や、HDR対応映像にどうS-Visionを適用するのかなど課題は多そうなので、仰るとおり一体型テレビがもっともシンプルな形だと思います。
      そうなるとテレビにはHDMI出力端子はおそらくつけてくれないでしょうから、HDMIのARCか、光デジタルでアンプに出すなど妥協を強いられそうです。
      何にせよ商品化してくれるといいですね。

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