計測とクリーン化
私がオーディオを始めて、電源環境についていろいろ考え始めてから、2011年4月に電源工事を行っていますが、その頃に一度導入しようか悩んだことのある電源機器があります。もうだいぶ古い機種ですが、PS AUDIO Power Plant Premierです。もう10年位前に発売された製品ですが、最近は新製品も出ていて安くなったものです。
個人的には、商業施設や工場が近くにあるようなよほどノイズが多い環境ではない限り、安定化電源やクリーン電源を挟んで機器に電力を供給する必要性は薄いと思っています。
というのも大抵の高級オーディオ機器には相応の電源トランスを搭載していますし、スパイクノイズのような大きく波形を乱すものはともかく、柱上トランスから供給される波形を、オーディオ機器のトランスで正確な波形にできないほど乱れているとは思えません。
一部のクリーン電源といわれる機器にはノイズが増えるという話もあるので、クリーン電源や安定化電源を通すことで本当に波形が綺麗に滑らかになるのか、実際に計測したことがないので私には何とも言えませんが、エネルギーロスを抑えるか、波形の美しさを優先するのかは、ある程度トレードオフの関係にあると思っています。
クリーン電源などのトランスを通すことで波形を綺麗にしようというのは理解できますが、ノイズフィルタを含め、電力の一部を削いだり、エネルギーロスを生むのは音痩せを感じることがよくあります。
個人的には、蛇口に浄水器をつけると水の勢いが落ちるように、エネルギー総量が低下することによるものではないかと思っていますので、あまり好ましくありません。元の電気の質が悪くないならあえて使わず、直接機器に供給してあげる方が良いと現時点では思います。
Power Plant Premierの特長
まずは、Power Plant Premierの発売当時に謡っていた特徴から見てみましょう。
クリーンで低歪の電源を生み出すACジェネレーター
家庭用電源の状態に左右されず、規則正しい正弦波を生み出す事が可能です。レギュレートされた電源により、機器は本来の性能を最大限に発揮させる事が出来ます。
優れたS/Nを提供するナノクリスタルライン
新マグネットフィルターテクノロジー「ナノクリスタルライン」採用により、従来のマグネット素材フィルターと比べ約10倍以上の高い透磁性を持たせる事に成功。それにより効果的なフィルターを作る為の銅線を極力少なく出来ました。優れたダイナミックレンジとS/Nを提供致します。
機器間の相互干渉が無いマルチ絶縁域を装備
PREMIERの各パワーセクションは、ISOZONEと呼ばれるマルチ絶縁域を持っています。ISOZONE間は機器間の相互干渉がありません。PREMIERはレギュレートされたクリーンな電力を、ナノクリスタルラインでフィルタリングした後、電力を各絶縁域ゾーンへ提供します。
仕様
- 出力:1500VA(内部損失含む)
- 出力コンセント: 5ゾーン10口
- DCトリガー入力:2系統装備
- 寸法425(W)×10(H)×413(D)mm
- 重量:15.9kg
特長には書かれていませんが、Power Plant Premierは入力された電源の電圧と波形のゆがみ率をリアルタイムでモニタリングでき、ゆがみ率を低減する機能を備えています。
この電源の状態をモニタリングする機能を以前から試してみたかったんですが、定価40万円という価格がネックでした。同価格帯の実質的な後継機はPS Audio PerfectWave Power Plant 5ですが、こちらも販売終息しています。
現行品で入手可能な一番安価なもので、PS Audio DirectStream P12 Power Plantですが、こちらは1.5倍くらいの価格になりますので、ちょっと購入できませんね。
しかし、たまたま手頃な価格でPower Plant Premierの中古品が見つかりましたので、入手してみることにしました。
コメント
エルミタージュさん、おはようございます。
PSオーディオのPPPを購入してたとは驚きです。
クリーン電源は内部的にはパワーアンプです。PPPはリジネレータ型なので、コンセントからの交流を一旦、直流にして、再度綺麗な交流電源を作るのですが、再精製された交流の増幅にパワーアンプクラスの増幅素子が必要です。従ってクリーン電源なのですが電源ケーブルは大電流が流せる良いものを奢った方が良いです。
私もp5を使っているので使用者のアドバイスとしてはトランス電源のCDプレーヤーや映像機器等の前段に接続するのがお奨めです。スイッチング電源はアイソレーショントランスの方が良いです。
Niさん、コメントありがとうございます。
ノイズの計測が目的だったので、クリーン電源として使うかはまだ決めていません。
このまま手放してしまうかもしれませんし、アドバイスのように上流側に使うかもしれませんし、時間が取れそうなら何かしら実験してみる可能性もありますが、現時点で計画は完全に白紙です。