アースによるノイズの低減
今回で音が非常にクリアになったのにはアース工事の成果が1つ挙げられると思います。これまでは家庭用分電盤内で共有されているアースへ接続している状態でしたが、オーディオルームとシアタールームに独占したアース線を用意できたことに加えて、接地抵抗値が2.5Ωと非常に低いアースを取ることができました。
アースが共有されている場合、他の電気機器からアースを通じてノイズが流れ込む可能性もあるわけですが、オーディオ専用アースにすればその心配はなくなります。またアースピンがない機器は直接電源のアースと接続することはできないものが多いですが、アースに接続できる機器を通じてノイズを地下へと迅速かつスムースに流すことができます。
Greenwave Dirty Electricity Filterのようなノイズフィルタもアースピンを通じてノイズを流すので、こちらもオーディオ専用アースの恩恵を受けることができるでしょう。実際Dirty Electricity Filterを各部屋の新設コンセントに装着すると、Broadband EMI Meterでは高い数値を検出していたものが大きく数値が下がり、ノイズ感の低い音が得られます。
変動とロスの低減
出水電器さんが実際に幹線分岐や分電盤、コンセントの取り付け方、圧着端子の変更など工事を手掛けるのを見ていて、共通して感じることは電力会社から供給されている電力をいかにロスなくオーディオ機器へ供給し、他の機器の影響を極力排除して変動をなくしていくかということに尽きる気がします。
家庭用分電盤の安全ブレーカーを1つ独占してオーディオ専用として使うことは、それなりにメリットはありますが、分電盤の安全ブレーカーの内、我が家の場合では1/30程度を占有したに過ぎません。水路に例えるならとても細い水路を独占したとしても、他の水路で水が使われれば一時的に流量が減り、安定した水量を確保するのが難しいでしょう。
現実はこんなに上図のように単純ではありませんが、幹線分岐によってオーディオ専用電源を確保することは、流量の多い太い川から入ってきた水路の半分を優先供給を受けるのに等しく、流れる量の変動も小さく常に安定しているわけです。
より上流から供給されることで、他の電気機器からの影響は小さくなり、オーディオシステムやシアターシステムは電圧の変動が非常に少ない状態で電力の供給を受けることができるため、常にフルパワーで駆動できるようになりますし、実際オーディオ専用電源工事をしたことでアンプを上位にアップグレードした時のようなシステムの力感の向上を体験できます。
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