その体験型のシステムにとって大切なのは、3D環境を再現する音響であり、オブジェクトオーディオやイマーシブオーディオなどの、空間を表現するマルチチャンネルシステムはVRと融合したサービスを楽しむ上でも重要なシステムになります。
私のマルチチャンネルを主体としたコンセプトは、これから先も私自身の主流となると思いますが、一方でオーディオは相変わらずCDを中心としたステレオの世界が標準です。アナログレコードもモノラルもしくはステレオですから、民生再生システムで最高の音を求めていけば、自然とステレオシステムへ行き着きます。
デジタルと言う世界は常に最先端を進み、一方でアナログという過去の遺産は依然としてオーディオの世界における最高音質を誇る究極のメディアとして生き続けていて、この両方で先端をいくというのは非常に難しい問題です。
ホームシアターにおけるオーディオシステム
ホームシアターシステムにおいては、2chのオーディオの音の質や良さを追求する上でどうしても妥協を強いられます。
リスニングポイントの問題
1つはリスニングポイントの問題。我が家のシアタールームは10畳ほどの切妻天井の部屋に、シートを5席詰め込んでいて、リスニングポイントがスピーカーに近いので、最適な両立ができているとは言いがたいです。
スピーカーの振り角
もう1つはスピーカーの向きの問題。スピーカーの向きは、ホームシアターとして考えると、ITU-R推奨配置など基準にすれば、部屋の大きさを考えるとスピーカーはかなり内振りにする必要が出てきます。
平行法を基準とするステレオスピーカーとは相反することになり、部屋が広ければ差異は小さくなりますが、特にセンターレスにしている我が家では、平行法にするとセンターの中抜けへの影響は大きくなります。
また、スクリーンやディスプレイの存在も音場の再現には障害になっていて、ディスプレイによる音の反射、フロントスピーカーの間隔がリスニングポイントとの距離を考えると、少し広すぎてしまいます。
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