Quick Charge
最近スマートフォンを買い換えてXperia XZへ移行しましたが、Xperia XZはQuick Charge3.0という急速充電規格に対応していることを知り、調べてみたのでまとめて記事にすることにしました。
Quick Chargeとは米国のクアルコム(Qualcomm)社が開発したスマートフォンやタブレットなどを高速に充電する規格です。
USB規格とQuick Charge
現在スマートフォンの充電には主にUSB端子が使われることが多いですが、本来のUSB規格ではUSBは各世代で供給される電力量が規定されていて、以下のような制限があります。
世代 | 供給電圧 | 供給電流 | 最大出力 |
USB 1.x | 5V | 0.5A | 2.5W |
USB 2.0 | 5V | 0.5A | 2.5W |
USB 3.x | 5V | 0.9A | 4.5W |
しかし、これでは現在のスマートフォンなどのモバイルデバイスの充電には不十分で、USB Battery Charging SpecificationやUSB Power Deliveryなどの拡張規格が登場していますが、Quick Chargeはそれとは異なり、Qualcomm社が策定した規格が普及し始めています。
Quick Charge 世代 |
供給電圧 | 供給電流 | 最大 出力 |
|
1.0 | 5V | 2A | 10W | |
2.0 | 5V、9V、12V(,20V) | 3A、2A、1.67A | 18W | |
3.0 | 3.6V~20V(200mV刻み) | 2.6A、4.6A | 18W | |
4.0 | QC動作時 | 3.6V-20V(200mV刻み) | 2.6A、4.6A | 18W |
USB-PD動作時 | 5V/9V | 3A | 27W | |
USB-PD3.0 PPS動作時 | 3V-11V (20mV刻み) | 1A-3A(50mA刻み) |
USBの本来の給電能力に比べて、桁違いの給電能力となっています。中でもQuick Charge3.0は2.0では固定だった電圧値を、小刻みに変動させることができ、充電に最適な電圧値、電流値を調節して充電できるようになっています。
Quick Charge 4の充電器は下位互換性がありません。仮にQuick Charge 1.0~3.0までに対応した端末を接続した場合は通常のUSB充電となるようです。
docomo製アダプタはQuick Charge3.0に対応?
私が先日購入したXperia XZはこのQuick Charge3.0とUSB Type-C端子に対応しているので、対応した充電アダプタを使えば80%の充電率までならQuickCharge3.0対応の充電アダプタなら急速充電が可能です。
しかし、docomoでXperia XZ対応として販売されている「ACアダプタ 06」や新型の「ACアダプタ 07」はQuickCharge3.0対応の明記がなく、仕様表を見ると以下のようになっています。
\ | docomo ACアダプタ 06 | docomo ACアダプタ 07 |
入力 | AC100V~240V 50/60Hz 0.8A | |
出力 | DC5.0V 3.0A/DC9.0V 3.0A /DC12.0V 2.25A |
DC5.0V 3.0A/DC7.0V 3.0A /DC9.0V 3.0A/DC12.0V 2.25A |
サイズ (W×H×D) |
約40mm×85mm×28mm (ケーブル、電源プラグ部は除く) |
約40mm×78mm×27mm (ケーブル、電源プラグ部は除く) |
ケーブル長 | 約1200mm | |
質量 | 約118g | 105g |
私は「ACアダプタ 06」を購入していないので確認することができませんが、この仕様を見る限り、電圧と電流が固定値に設定されているように見えるので、電圧を0.2V刻みで調整できるようには読み取れません。
本来電圧と電流が小刻みに変動するはずのQuick Charge3.0の仕様とは異なっているように見えます。最大出力も18Wを超えているのでQuick Charge3.0対応ではなさそうです。
しかしなぜQuick Charge3.0のように電圧を高くすると充電が速くなるのでしょうか?
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