軽量ボディにモンスターエンジン
この振動板ユニットは、振動板が非常に軽い上にでかいネオジウムマグネットが2つもついているので片手で持つのがつらいくらい重く、スピーカーに取り付ける作業は通常のドライバーではマグネットにひきつけられてしまいユニットを壊してしまうので、チタン製のドライバーを使って作業する必要があります。
そのユニットの動作は、まるでF1マシンのように軽量なボディをモンスターパワーを持ったエンジンで動かすような動きで、ユニットのレスポンスが非常に軽快で繊細な音です。こうして振動板を下にしておいた状態で、持ち上げると振動板が持ち上げたときの気圧の変化でふわっと目に見えて動くくらい軽いんです。
これを聞くとコーン型のスピーカーが何と重く感じることか…。この音はスピーカーを評価するときの高音が低音がという特長を評価するのが難しい音で、体に響く重低音は感じませんが、振動板から出た音が何と言うか耳に直接響いているようなリアルな音がします。
まだ右下のユニットの状態が不完全で、ビリついているように感じるので、ノイズ成分が残っていますが、もし右下の振動板が正常な状態で鳴るようになったら、まるで楽器が目の前で鳴っているように聞こえることでしょう。多分この振動板の構造は人の耳の鼓膜の仕組みと似ているから、直接的な音として脳が認識するのかもしれません。
楽器を演奏する方はこのUltima C Vertical Twinの音を好み、オーディオ好きな方はELECTRO VOICEのようなオーディオ的な音を好むようです。私は楽器は弾かないけど明らかにこの平面振動板の音が好きです。
FALのスピーカーの記憶は…
現行のFALのスピーカーの音は聞いたことがないのか、印象が薄いのかはわかりませんが、聞いた記憶が残っていません。Theaterさん宅には比較的近い時代のFAL社の下位モデルのFLAT-Bのスピーカーもありますが、グレード的には現行の上位のC90と下位のC60の間くらいのユニットのようですね。
ウレタンエッジの状態が悪かった事もあり、Ultima C Vertical Twinを聞いた後では、同じ会社のスピーカーとは思えないくらい重い音で、グレードの差はありますが、経年劣化によってスポンジが傷むとこれだけ音が変わるのかと二重の驚きでした。きっとこのスピーカーも100%の状態ならもっといい音で鳴るのでしょうね。
もしピュアオーディオのシステムを作るなら…
帰宅してから、ウェブ上を探しても見つからないこの機種は、ぜひ記録として残しておきたいと思って上記の記事を書いてみました。私は現所有のDALI Helicon 800のトゥイーターの音に惚れているので、あまり他人様のお宅のシステムや、オーディオショウなどに行って試聴してみても、「そのスピーカーが欲しい」と思うことってほとんどないんですが…。
もしUltima C Vertical Twinがバランスが取れた100%の状態だったら…
もし自分がピュアオーディオのシステムを改めて組めるなら…
「このスピーカーを使って組んでみたい」
とお世辞抜きに思う魅力的な音のするスピーカーでした。ELECTRO VOICEのようなオーディオ的な音より、こういうUltimaC Vertical Twinのような耳、脳に直接響くようなリアルな音がするスピーカーは私の好みです。
俄然この平面振動板の存在が私の中で大きくなりました。世界に5台しかなく、高価なレアモデルですから、もう2度とお目にかかれないかもしれませんし、仮に新品で再販されても私に買える金額ではないと思いますが、もし機会があればFAL社のフラグシップスピーカーや影山式平面スピーカーを自宅で聞いてみたいですね。部屋に入るかどうかもわからないけど…。
Theaterさん、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
Her-
↓↓↓関連記事はこの下にあります、引き続きお楽しみください↓↓↓
コメント