複雑な印象の調音
Ni邸からの帰路で、聞いた音を振り返ってみると、少しセッティングを変更しただけで私の好みのバランスに変えられたところはとても良かったと思いますが、背後のYAMAHAのパネルの角度を微妙に変えたり、足元のパネルを付け外ししたりするだけでガラッと音が変わるのは、少し変化が大きすぎるなという印象でした。変化が大きいというのはイコール調整が難しくなりますし、すごく気を使うことになります。
変化が大きい理由を帰りの電車の中で考えながら帰りましたが、アレだけ微妙な角度変化で大きく音像が動くというのは、セッティング使っているアイテムが多く重ねあわせが複雑だからかなぁと思いました。
試聴開始時のフロントを見るだけでも、部屋の弱点を補うためと思われる、これだけの音響用のボードと調音パネルが投入されています。上や後ろを振り返ると、さらにパネルが設置されていて、ラックにもボードやインシュレータ類などが複雑に重ね使いされています。
部屋のパネルたちは当然お互いに影響を及ぼしあい、その場の音を構成しているわけです。音は目に見えないので、どこでどう反射して影響しあっているのかは、頭で想像し、耳で確認する以外ありませんが、複雑になればなるほど、その影響を想像することが難しくなり、スイートスポット(視聴位置)も狭くなります。
私の良くない頭では、その多次元方程式のような複雑な方程式を想像や耳だけで解くのはとても出来ません。それを自分でコントロールしているNiさんの調整はとても真似できないなと思います。
シンプルを心がけよう
Niさんのように複雑なコントロールは私にはできないので、いつも心がけているのが、トータルコーディネートという感覚です。言い換えれば統一感でしょうか。
例えば部屋のインテリアや服装を選ぶとき、私は色彩感覚に優れているわけではないので、白と黒にあと1色か同系色2色までで選ぶようにしています。そしてあまり派手な色は使いません。
白と黒はほかの色に影響を与える度合いが少ないですが、例えば緑と赤などの反対色はお互いを引き立てもすれば打ち消しあったりもするので、取り合わせが難しい組み合わせです。そこにもう1色加わったときに起こる変化は、さらに複雑さを増し、出来上がった姿は残念なものになる可能性が高い。
これは音にも通じるところがあると思っていて、ベースになる音、つまりスピーカーやアンプは白や黒のような色を感じさせない無色に近いもので統一し、遊び心は小物、つまり末端のプレーヤーなどで出すというのを心がけています。以前書いたこともありますが、幹枝葉のエリアに分けて調整するコンセプトです。
そしてアクセサリの追加は効果の近いものを極力重ねすぎない、打ち消しあう効果のものを重ねないこと。効果を確認するときはベースに近い状態で1つ1つ確認をしてから、それぞれのアイテムの個性を良く理解してから重ねること、出来上がった音が複雑でよく分からない味のする料理のようになってしまわないように技量の低い私はこういったことに気を使っています。
Ni邸を訪問して
Niさんのお宅にお邪魔して、痛感したのは私にはアイテムの重ねあわせをコントロールするのはとても真似が出来ないということですね。
いろいろ経験豊富な方との交流が多いNiさんは、その方々の力を借り、そういった知識や知見を多く取り込んでおられるので、複雑な組み合わせでも微妙なコントロールをする術を身に着けていらっしゃるのでしょう。
私はあまりいろいろな人のシステムの音を聞く機会は多くありませんが、経験豊富なNiさんのお宅にお邪魔する機会を頂いたことに感謝いたします。楽しい時間をありがとうございました。
Her-
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