映画ではこの見えないところで鳴っている音を目で見ることが出来ませんが、ゲームは自分で操作が出来るので、ゲームの操作に慣れて無意識に操作されるようになると、その方向へコントローラーを使って振り向くことが出来、振り向く間も合わせて音声が動くので、これらの擬似環境音に包まれると、「居る」という感覚へと錯覚し始めます。そしてこの感覚はDolby Surroundなどによって、上方へと空間が拡張されたことによってさらに包まれる感覚は増していきます。
これらのマルチチャンネルによって得られる一体感は、脳が慣れるまでは逆に疲れるように感じられますが、これは普段ゲームをしているときに脳の使っていない部分を使うことになることが原因だと私は思っていますが、長時間プレイをするようになり、ゲームの世界に入り込んでしまうと気にならなくなり、例えばゲームの中で「助けて！」と声が聞こえると、まるで本当に振り向くかのように、自然にその方向へカメラを向けてしまうくらい一体化することができるようになります。
映画をマルチチャンネルで楽しむことが出来る人は、ぜひゲームはマルチチャンネルで遊んで欲しいと思います。
HDR対応でさらに脳は騙される
HDRへの対応を果たした今回のFinalFantasyXVはその体験値をまた大きく押し上げてくれます。人は視覚から得る情報が、他の感覚よりも大きく、視覚情報の向上による体験値への貢献度はとても高いものです。
例えば、ドライブをしているとしましょう。暗いトンネルへと入り、車はライトをつけて走ります。閉鎖的な空間で走る車の走行音に包まれ、長いトンネルを走っていきます。トンネルの向こうには小さく出口が見えてきました。少しずつトンネルの出口が迫り、単調なトンネルの暗い壁がトンネルの出口を抜け出た瞬間、目の前の世界は一瞬真っ白の世界に変わった刹那、広くて大きな青い海が日差しに輝いている風景が目の前いっぱいに広がります。
これが従来のゲームなら、調子一辺倒に暗いところから明るいところへシーンが変わるだけですが、HDR化したゲームでは、この実際の体験と同じように目の前が一瞬白く飛び、風景が切り替わるような擬似ドライブを体験することが出来ます。
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