PC-TripleC/EXの伝送特性
最近私がよく使っているPC-TripleCという素材をさらに伝送性能を向上、発展させたケーブルとして、銀:99.999%、銅99.996%という高純度の素材を組み合わせたPC-TripleC/EXという銅と銀のハイブリッド素材が登場しています。
銅に銀のメッキを施した導体はこれまでもありましたが、メッキよりも分厚い銀で表層を覆い鍛造で密着させ、表皮効果をよりスムーズに機能させることができるようです。
超伝導の領域というのは、超伝導自体が電気抵抗がほぼゼロの世界なので、少し言いすぎな感じがしますが、例えばPCOCCは97~98%I.A.C.S.、PCOCC-AやPC-TripleCのアニール処理をしたものが101.5%I.A.C.S.と、何かのインタビューで書いてあったと思いますが、100%純銅でも103%I.A.C.S.程度だそうなので、PC-TripleC/EXの105%I.A.C.S.という導電率はかなり優秀な数値だと思います。
まぁ数字がよければ音がよくなるというものでもありませんが、PC-TripleCで作られたオーディオのケーブルは、使用してみた個人的印象では、スムーズな伝送特性がそのまま音に現れたような、スッキリと淀みなく広帯域で音が出てくる印象を持っていますので、PC-TripleC/EXでできたケーブルも相当クリアな音が出てくるのではないかと想像してしまいます。
PC-TripleC/EXを採用したケーブルと価格差
私は試聴したことはありませんが、すでに先行してSAEC STRATOSPHEREシリーズが販売されていて、評論家などの批評を見ると絶賛されています。そのSTRATOSPHEREとabsoluteの導体の素材自体は同じもののようですが、ずいぶんと価格が異なっています。
- SAEC STRATOSPHERE SL-1(1.2m):260,000円(税別)
- Acoustic Revive RCA-absolute-FM(1m):880,000円(税別)
1m当たりに換算すると、RCA-absolute-FMの価格はSL-1の価格は約4倍、この価格の差が何なのか気になって調べてみましたが、構造や使われている導体の太さ、シールドなどに使われている素材が異なっているようです。SAECとAcoustic Reviveの公式HPの情報+確認してみた情報を合わせると、RCAケーブルは以下のような構成になっています。
メーカー | SAEC | Acoustic Revive |
型番 | STRATOSPHERE SL-1 | RCA-absolute-FM |
価格 | 260,000円(税別)/1.2m | 880,000円(税別)/1m |
導体 | PC-TripleC(φ0.64)の単線+ PC-TripleC/EX(φ0.07) 6本 |
PC-TripleC/EX(φ1.0)の単線 |
プラグ | リン青銅(金メッキ) チャッキング機構 |
異種混合(導通部テルル銅) 無ハンダネジ留め式 |
絶縁体 | フッ素樹脂 | フッ素樹脂 |
緩衝材 | 介在シルク系 | 天然シルクチューブ |
シールド | PC-TripleC網組 | テフロンコーティング フレキシブル銅管 |
シース | 制振材入り 耐燃性ポリオレフィン |
CSFチューブ(カーボン) |
その他 | – | ファインメットビーズ |
SAEC STRATOSPHEREシリーズに使われている導体は、RCAケーブルで比較すると、φ0.64のPC-TripleCの単線の周囲をφ0.07のPC-TripleC/EXの単線6本で囲んだ「スーパーストラタム構造」というハイブリッド構造です。
一方Acoustic Revive absoluteシリーズは、質問をしてみたところ、PC-TripleC/EXの製造限界最大径φ1.0の単線のみでできているそうで、直径は10倍以上太く、太く成れば外周部の銀の使用量は格段に増えるので、その太さが価格にダイレクトに表れているようです。
絶縁体にはどちらもフッ素系素材やシルク系の素材が使われている点は両社とも似ています。高音質を求めると行き着くところは同じなのかもしれませんが、シールドより外側は大分異なっています。
プラグはSTRATOSPHEREはリン青銅に金メッキを施したものだと推測されますが、absoluteはベリリウム銅以上の導電率を有するテルル銅が使われています。
STRATOSPHEREは網組シールドで、absoluteは銅管シールドにコストのかかるテフロンコーティングを施したシールドを使っていて、これらの素材にかかるコストが製品の価格に影響しているようですね。
SAEC STRATOSPHEREなら手が届く価格といえるかもしれませんが、absoluteはXLRケーブルは1mで税込100万円を超えます。とても購入できる価格ではありません。
ちなみにaudio unionでは、RCA-absolute-FM(1.0m)が760,320円、STRATOSPHERE SL-1(1.2m)が224,640円だそうです。(2017年10月現在)
価格=良い音ではありませんが、我が家に単体で100万円を超える機器は1つもありませんし、仮に使うにしても所有しているプレーヤーはいずれもこの半分以下の価格ですから分不相応もいいところですよね。
Acoustic ReviveのHPには「Acoustic Reviveの全ての製品は無料貸し出しも行っています。」と書かれています。
えっ!?このケーブルも貸してくれるの?
Her-
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