音質について
今回シアタールームで1mほどの距離で中央に陣取って一人で試聴することができたので、音の定位などを確認するには最適な環境でした。これは平日ならではの贅沢ですね。
ステレオスピーカーとは異なる音場感
今回のA1シリーズは以前の記事に書いたとおり画面表面の有機ガラスを振動させる「アコースティックサーフェス」という機構で画面全体から音を出しています。
いわゆるホームシアターであれば、ステレオの音をLRの2つのスピーカーに分けて音を出しますが、このテレビは振動板が画面一枚しかありません。
実際にゴーストバスターズ(2016年版)を見てみると、アップで映っているキャラクターそれぞれの台詞はキャラクターの立ち居地に応じて左右に移動している感じが感じられず、画面の中央下から聞こえて、最初は違和感を感じましたが、映像の中で動いているオブジェクト(車とか)があると、画面内のポジションに応じて動いているのが良くわかりました。
シアタールームに来る前に、展示スペースでオペラのトゥーランドットの映像を見たときには、ちゃんと歌手3人の立ち居地に応じて音の位置が適切に再現されていたので、センターchとして収録されている台詞が中央から聞こえたのかもしれません。
テレビの画面上から音が聞こえると言う現象は、ホームシアターに慣れていると不思議な感覚ですね。左右のスピーカーから聞こえるステレオ再生というのは、オーディオに親しんでいる方は良くわかると思いますが、スピーカーを中心として左右に広がって音が出ているので、ちゃんと調整されていれば、音場はスピーカーの外へ展開して広く聞こえます。
ところがこの「アコースティックサーフェス」から出てくる音は、画面を中心に音が出ているので、この音の広がりがあまり感じられないのです。映像の位置と音との一体感は正確に出るのが自然と言えば自然なんですが、オーディオ的に見るとか狭く感じられるという不思議な印象を受けます。サウンドスクリーンとも印象が異なります。サラウンド感はあまり感じられませんでした。
コメント
はじめまして。BRAVIA A1の詳しいレポート、ありがとうございます。私も展示が始まってすぐに名古屋のショールームへ見に行きましたが、仕事の合間の見学だったため、10分程度しか体験できなかったので、今回のレビューは大変参考になりました。
今回のレビューの中には無かったことで補足を少し。
ゲームをすることが多いので焼き付きが気になりスタッフに尋ねたところ、液晶でのバックライトの部分駆動の技術を応用して、一定時間同じ箇所に文字などがある場合は、その部分だけ輝度を落として焼き付きを防止するので心配はないと言ってました。
私にとっては65インチで充分なので購入決定です。
yos227さん、コメントありがとうございます。
私もゲームをするのに焼き付きの件はチェックしていませんでしたが、ちゃんと対策されているんですね。参考になる情報をありがとうございます。
購入されるのが羨ましいですね。
詳しいレポートで、よく分かり、大いに参考になり、有難かったのですが、ひとつ疑問があります。
出揃った各社の有機ELテレビの中で、どれを買いたいかという設問をして、「色に違和感のあるLG製は却下」と述べています。
しかし、私は家電量販店のデモを見た限り、そのようには感じませんでした。
また仮にデモ画面を見てそう感じたとしても、自分好みにでも、きめ細かく、画質調整可能なのですから、デモ画面の発色を理由にLG製を却下するのは首肯できません。
SONYの新製品は確かにいろいろな面で優れていることはよくわかりました。しかし現在販売されている各社の製品について、費用対効果も考慮して、どの製品を買うのが賢明か考えれば、このルポとは異なる答えもあるのではありませんか。
Wakabaさん、コメントありがとうございます。
確かに調整できれば選択肢には残るかもしれませんね。人によって選択が変わる可能性もあると思います。
色とは一概に発色だけの話でもないので、私が感じる違和感をうまく説明できないという面もありますが、個人的には現行のLGの有機ELテレビは選択しないと思います。
WakabaさんのようにLGが良いという人もいると思うのでそれを否定する気持ちはありません。最後は自分の目で見て購入してくださいませ。