順番を入れ換える
ここで前回のようにiPurifier ACを接続する位置を変更してみます。
RTP-4 absolute
│││└AVプリアンプ Marantz AV8802A
││└ネットワークオーディオプレーヤー Marantz NA-11S1
│└ユニバーサルプレーヤー DENON DVD-A1XVA
└iFi-Audio iPurifier AC
上記の状態から機器の順番はそのままに、空き端子をインレットから遠い位置から、近い位置へ移します。そして空き端子にiPurifier ACを接続して試聴してみます。
RTP-4 absolute
│││└iFi-Audio iPurifier AC
││└AVプリアンプ Marantz AV8802A
│└ネットワークオーディオプレーヤー Marantz NA-11S1
└ユニバーサルプレーヤー DENON DVD-A1XVA
明るくすっきりした印象が強まり、硬さを感じていた音が幾分柔らかく感じられます。鮮烈だったギターやハープの音など高音に行き過ぎた感じがなくなり、タイトだった低音も少し緩みます。
音場に広がる余韻が遠くまで伸び、女性の声にも柔らかい広がりが、男性の声にもゆとりが生まれ、完全に消えるわけではありませんが先ほどまでのぎこちない感じが主張しなくなり穏やかに感じられます。
使うならスイッチング電源の近くで
前回までの検証結果まで含めると、RTP-4 absoluteのインレットから遠い4番に接続した場合、ゲーム機での結果は良好で、ネットワークオーディオでの再生ではぎこちない印象を受けました。
インレットから近い1番に使ってみると、そのぎこちない印象は弱まりますが、完全になくなったわけではなく、小さな違和感として残ります。ノイズがあるという感じと少し印象が違って、何というか私の中に浮かんだイメージはロボットのような印象でした。人間に良く似たアンドロイドのようなぎこちなさです。
これは1つの仮定ですが、アナログ電源を搭載するオーディオ機器は、安定化電源などが生成する電源波形の中に含まれる低周波ノイズを含んだ状態で調整されているものがあり、iPurifier ACを使ったことによる低周波ノイズの除去が、その低周波ノイズによる予定調和のバランスを崩して、どこかロボットのように几帳面すぎる音になってしまうのではないでしょうか。その中でも上流機器であるプレーヤー類はその影響を受けやすい印象を受けます。
音に限らず、食べ物や飲み物などでもそうですが、ある程度の雑味があるからこそ、そのものの個性や味となります。アナログ機器などはその味がメーカーの個性といえる部分もあるでしょう。
比較的ノイズの多い環境であれば、低周波ノイズを取り除くことによる個性がおとなしくなることをデメリットとしては感じないかもしれませんが、iPurifier ACはその雑味を綺麗に取り除いてしまうので、機器によっては個性や味がおとなしくなり、むしろ違和感になってしまうのかもしれません。副作用というよりは相性のようなものでしょうか。
愚直なまでにクリーンな波形を作る
今回のテストの結果、iPurifier ACというアクセサリは、広範囲に効くというメリットと、範囲を絞りにくいデメリットを併せ持ちますが、個人的には仕組みを理解した上で計画的に使用することができれば、とてもコストパフォーマンスの高いアクセサリだと思います。
例えばノイズの多い環境では、iPurifier ACのメリットがデメリットを上回り、副作用を感じずに使用することが出来ますが、ある程度ノイズ対策を施した電源環境であれば、iPurifier ACをアナログ電源機器から遠ざけ、スイッチング電源を搭載した機器を1つの電源タップにまとめて、電源タップにアースを接続した上で、その入り口にiPurifier ACを接続して、高周波ノイズを一網打尽にするなどの工夫をするなどすると、最も効果を発揮するアクセサリではないかと思います。
ここでiPurifier ACはお返しして、次はiFi-Audio iPowerの12V仕様と5V仕様をお借りしてみましたので、後日公開します。
Her-
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